Il Magazzino@Firenze

めったに足を踏み入れないオルトラルノ・ゾーンの友人宅に出かけた帰りに見かけたこの店。店名は”倉庫”、そして、専門は「トリッパ」である。なんだかちょっと狙っている感じがしないでもないけれど、まずは試してみなくては。
ランチはプリモ、セコンドをそれぞれ6種類くらいから選んで、さらに水、ワインでなんと10ユーロ。メニュ・トゥリスティコ的安値設定にさらに不信感は高まる。店内を見回すと見事におじさんばかり。古い店ではないのに、なんでこんなに地元っぽい連中が?
プリモはソースを選び、さらに麺を選ぶ方式。トリッパやランプレドットのほかに目についたのがセッテ・ペッカーティ(七つの大罪)ソース。早速これとフジッリの組み合わせで注文する。もう一つはタリアテッレでランプレドットのラグー。セコンドは王道トリッパ・アッラ・フィオレンティーナをセレクト。
果たしてセッテ・ペッカーティ、トマト、パンチェッタ、にんにく、イタパセ、生クリームなどなどが実にうまい具合に融合し、えも言われぬ後引く美味しさにフォークが止まらない。唐辛子の効き方も、弱すぎず辛すぎず、食べ終わった後、爽やかな辛みがじんわりと余韻を残すあたりがまた私好み。ラグーのほうはややパンチにかけていただけに、この一皿が際立った感じ。
トリッパはきちんと下ごしらえされ、余分な脂臭さ一切なく、さっくりとした歯触りも軽快で、フィレンツェに数ある同名料理のなかでも5本の指に入ることは間違いなし、の印象。これで10ユーロ、道理でおじさん達の巣窟となるわけだ。mnm
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