偽ジャーナリスト
最近偽ジャーナリストの話をよく聞きます。 私の敬愛するジャーナリスト、パオロ・マルキが主宰する Identita Goloseによれば、昨今ミラノでは ジャーナリストを語ってレストランで ただ食いするイタリア人がいるとか。 きっとジャーナリストといえば なんでもOKのようなおいしい職業に思えるのでしょう。 イタリアのジャーナリストはフリーでも 実はみなどこかの団体に所属しています。 所属先はさまざまですが、 例えばOrdine Nazionale dei Giornalisti 国立ジャーナリスト協会に所属すると 飛行機、ホテル、レンタカーなどが 割引、美術館、展示会などは入場無料。 と、それだけ見れば特典が多く思えますが、 実は展示会に数十回入れるぐらいの高〜い年会費を払っており、 年金もジャーナリスト年金公社に払っています。 なのでこうした偽ジャーナリストをしめだして既得権を 守るべきだ、という声がイタリア国内であがっています。 という昨今、イタリアでも話題に のぼっているのがブロガーの存在。 前述のパオロ・マルキが主宰する食のイベントでは 中身が濃いだけに参加費も高額。 ジャーナリストは入場無料なので 「ブログ・ジャーナリスト」と称して入場しようとする 人々が実に多いとか。 なので今年から新たなカテゴリー 「ブログ・ジャーナリスト」をパオロはもうけました。 ホリエモンがかつて「ブログでは全員がジャーナリストになれる」 と発言しましたが、その是非はとにかく、 簡単デジカメを手にしたブロガーは 日本人、イタリア人問わず みな気分はジャーナリストになってしまうのでしょう。 ミラノ・サローネでは家具の写真をデジでばんばんとり、 すぐに家具をコピー製造しちゃう 中国系の方がいらっしゃることから 中国系プレスの登録審査は厳しくなりました。 ミラノのブランドショップのウインドウ撮影が 禁止されたのも同様の理由からです。 イタリアとイタリア料理をこよなく愛する 日本人にはこういう偽ジャーナリストは いないと思いますが、 どんな場合でも嘘はつかずに きちんとお金を払って入場しないといけませんね。 さもないと同胞の首を絞めることになりかねません。 明日からエルバ島です。 MASA

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