セビリアの理髪師@Teatro Arcimboldi
スカラ座の改装期間中、代替のメイン・シアターとして活躍したミラノのアルチンボルディ劇場。今夜の出し物はロッシーニの「セビリアの理髪師」。はじめて座るアルチンボルディ劇場は2400人収容、しかし両サイドの奇抜な照明が少々じゃまで舞台のそでが見にくい。音も今ひとつ、と思ったのは私だけでしょうか。 実は今公演でアルマヴィーヴァ公爵を演じるのが、ムーティ様に抜擢されたロッシーニ歌い中島康晴氏。2年前にペサロでインタビューしたことがあるが聴くのははじめてなのだ。で楽しみにしてたんだけど、この日のアルマヴィーヴァ公爵は中島氏ではなく、ティベリウス・シミュ氏。ちょっと残念、だがもうひとつの驚きはフィガロ役のヴィンツェンツォ・タオルミーナ。以前相方が彼をボローニャのマルティーニ音楽院で取材したことがあった。彼の勇姿は「イタリア音楽散歩」(世界文化社)にも出てますのでご興味ある方は、どうぞ。 さて、その「セビリアの理髪師」。この劇場、音がどうも今ひとつな感じは最初のSinfoniaからしてたけれど、オーケストラも少々ずれて聞こえる。金管楽器がやけに耳に響くのも劇場のせい?少々アレンジを変えているのもちょっと気になる。ロッシーニのアリアはロッシーニ歌いじゃないと歌えないくらい難しいと以前中島氏が言っていたように確かにアルマヴィーヴァ公爵、フィガロともに技巧を駆使して歌い上げる。こりゃ難しい。しかしときおり、息が続かないことも。 安心して聴いていられたのはドン・バジリオ、ドン・バルトロの老人2人組、さすがに余裕?実年齢は分からないけれどキャリアを感じる。ロジーナ役は実に小柄でヴィンチェンツォ君の半分くらいしか背がないけれどとてもよかった。「今のお声は Una voce poco fa」ではさすがに息が続かない部分もあったが、きっちり歌い上げて拍手喝采。 夜更けにホテルに戻ってベッドに入るまで「Uno alla volta…とかChe invenzione, che invenzione, che invenzione」といったフィガロことヴィンチェンツォ君の軽やかな歌声が耳に残って離れなかったMy first Rossiniな夜。 MASASAPORITAをもっと見る
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