10日間の食卓@MIlano、Torino、Genova、Venezia…
11月11日〜11月21日にかけて北イタリアをあちこち旅しておりました。その旅の詳細は活字にて来春あたりご報告できるかと思いますがメモ代わりの簡単な記録です。 11月11日(土) Osteria del Treno(MILANO) ガチョウのパテ&モスタルダ、ガチョウのねずの実風、ピスタチオと唐辛子のジェラート 装飾を排除した痛いほど質実剛健な正統派のオステリア。 11月12日(日) Vecchia Brenta(Vercelli) 野菜のバーニャ・カウダ、アニョロッティ「プリン」、カエルのフリット Capel Rossoと並ぶヴェルチェッリの2大リストランテ、のはずだが胸を打つ料理、哲学には出会えなかった。サービスは冷たかったし油も古かった。 11月12日(日) Da Mauro(TORINO) 子牛のアルバ風、トルテッリーニ・イン・ブロード、メダリオンのポルチーニ添え 昨年7回通ったトラットリア大賞2005の店。いつもと変わらぬ心温まるサービスと、安くて良質な料理。 11月13日(月)Parigi(Bordighera) アンチョビのフジッリ、スズキのロースト&ポテト、ピーマン・ロースト メニューを見て失望、届いた料理を食べずとも見ただけでさらに失望。 11月14日(火) Tempo Ritrovato(Bordighera) ブランダクユン、ホタテのパッケリ、ストッカフィッソ、素晴らしく本質的な料理の連続、アドレナリンが出てさらにパスタ。スペルト小麦のフェットゥチーネ&ブロッコリとジャガイモ。ジャガイモのでんぷんでソースの乳化とはどうあるべきかという命題をはっきりと教えてくれる。しゃぶしゃぶ、もしくはオイリー・ソースのパスタを出す店は勉強すべし。リグーリア料理の本懐。昨夜の借りを取り戻す。デザートは蜂蜜のジェラート。これはここまでの流れを逸脱し装飾過多。 11月15日(水)Santachiara(GENOVA) ジェノヴァ郊外の海沿いにある店。都会を旅してつねに思うことは、都市部にはいい郷土料理の店が少ない、ということ。ミラノ、ローマ、ボローニャ、トリノ、ジェノヴァ、ナポリ、おそらくフィレンツェ。それは地方にこそ名店多しというイタリア料理の本質が生み出す影の部分でもあるのだがジェノヴァにもそれはいえることをボルディゲーラで再認識。この店はリグーリア料理店ではないがシンプルにその日あるものを食べさせてくれる。アンチョビのブルスケッタと自家製のフォカッチャ、イワシのマリネとフリッタータ、エビ・タコ・ムール貝を使ったインサラータ・ディ・リゾ、スパゲッティ・フルッティ・ディ・マーレ。前菜までは非常によかったがパスタは今イチ。理由は3点。麵の過加熱、乳化不足、塩の不足。 11月17日(金) Al Prosecco(VENEZIA)バーカロ巡りその1 カポコッロとラディッキオのパニーノ、ソプレッサとアジアーゴのフォルマッジョ・ウブリアコのパニーノ、プロセッコ Rivetta(VENEZIA)バーカロ巡りその2 バッカラとカッペリのクロスティーニ、1/2半熟玉子、ゴルゴンゾーラ特盛りのクロスティーニ、マルベックのVino Novello Do Mori(VENEZIA)バーカロ巡りその3 肉ポルペッティーナ、ツナ・ポルペッティーナ、イワシ・マリネのクロスティーニはコハダを思わせる絶妙の締め具合、バッカラのクロスティーニ、ポルペッティーナ・イン・ウミド、プロセッコ、メルロー+カベルネのVino Novello、Ribolla Gialla Diavolo e Acquasanta(VENEZIA)バーカロ巡りその4 バッカラ、ラディッキオ、イワシの詰め物のフリット、ポルペッティーナ・イン・ウミド、チーズと野菜のクロケッタ、プロセッコ、赤ゴート(=ヴェネトでいうコップ酒) 11月18日(土) Birreria del Forst(MERANO) Pils、W Malts、バイエルン・ヴュルステルとクラウティ、グーラッシュ&クネーデルリ 11月19日(日) Ritnerhof(Bolzano) 石焼フィレ・ミスト、インサラータ・ミスタ。ファミレス。 11月20、21日 標高1200mのCortina d’Ampezzoの山奥で食うや食わずの山歩き。「心と体に贅肉はつけない」といったのは古巣の出版社にいた先輩写真家だが、トリノやジェノヴァで蓄えた栄養分を一挙に吐き出すかのような強行軍。山を降り、里に戻ると暑くてたまらない。帽子、重ね履きした靴下、寒冷地仕様ババシャツなど着膨れした服を一枚づつ脱いでゆきつつ心も下界へ。MASA

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