シチリア再訪 Majore, Da Vittorio, Maestro del Brodo, Don Ciccio

六本木●モーレ組のお供と称し、今年一年の旅運を占うべくシチリアへ。というか、とんとご無沙汰だった懐かしのロカーレへ「みんな変わりないかな」という期待と不安ないまぜの旅。四日間でカターニア→モディカ→トラーパニ→パレルモという激走の旅でもあった。
カターニアでは残念ながらAntica Marinaへは行けず。モディカへ向かう途中のキアラモンテ・グルフィで豚料理専門店Majoreへ。以前と変わらぬ佇まい、以前と変わらぬ白服の年配のカメリエーレ。5年ぶりだけど、年とってないのがすごい。対してこっちは確実に...。しかし、stufato di maialeのパスタは、豚角煮が各自一個しかのってない!そうだっけ?! stufatoのスーゴはパスタに和えずにかけただけ、というのは、自分でペコリーノと一緒に混ぜる楽しみを顧客に提供するためか、と好意的に解釈する。
notte bianca(徹夜で遊ぼうという街を挙げてのお祭り)だったモディカでは明け方までダンパ(死語?)が繰り広げられたお陰で寝不足。しかし、気合いを入れてトラーパニへ向かう。途中、「ウニが喰いて〜」という声にお応えし、昼食はメンフィ海岸のDa Vittorioで。ドライバーのT氏は●モーレ御大の「根拠のないブレーキをやめて、ひたすらアクセルを踏め」という叱咤激励でさぞや憔悴したことと思う。お陰でめでたく営業開始時間前に到着、さんざ待たされた後、念願のウニ・スパをみな口もきかずに完食。その前のアンティパスト(cozze alla marinara、polpette fritte、spatola fritta in agrodolce、rumache in umidoなど)も無言完食だったけれど。
Da Vittorioのドルチェは、頼まずとも登場する。ビスコッティだったり、季節の行事のお菓子だったり、毎回違う。この日は砕いたチョコ入りピスタチオペーストを挟んだクロスタータ、リコッタクリームを挟んだピスタチオ生地のトルタ。ピスタチオペーストの中にちらちら見えるチョコが、まるで小豆に見え、「宇治金時か?!」と一瞬思ったのは、前夜が寝不足だったせい。
トラーパニではシナモンの効いたクスクスを賞味し、翌日はパレルモへ。日曜日ゆえ、街中のめぼしいお店はほとんどお休み。昼のみ営業でしかも日曜もやっているMaestro del Brodoへ。「今日はほんっとに満席で、14時半以降じゃないと席はない」といわれるが、それでもOKと待つ。その間、屋台の脾臓パニーノを分け合って飢えをしのぐ。御公現の祝日翌日の日曜日だけあって、一族郎党大集合パーティが各テーブルで行われている模様で、なかなか席は空かず。じっと辛抱してようやく着席したのは15時半をゆうに回っていた。アンティパストはブッフェで、パスタはイワシとウイキョウのブカティーニ、メインは焼いたり揚げたりの魚介盛り合わせ。浄水器のような機械から注がれるハウスワインは水のように飲みやすかった...。
シチリアを離れる前の最後の食事は、バゲリーアは怪物屋敷Villa Palagonia裏手の食堂Don Ciccioにて。ものすごく久しぶりだったけれど、ゆで玉子とマルサラのお通しは健在であった。番台に座るおじさんも以前と変わらず。安心。玉子を食べ、マルサラをすすっている間に、パスタとセコンドを頼む。パスタはブカティーニのカレッティエラ、セコンドはイワシのベッカフィーコ、牛肉のインヴォルティーニ、メカジキのインヴォルティーニ。カレッティエラは平たく言えば、aglio, olio e prezzemoloである。トマトなしの超シンプル。御大もT氏も我慢できずにペペロンチーノを所望。私は超生っぽいにんにくの刺激にほぼ満足していたけれど、どうせだからとかけてみた。ものすごく辛い唐辛子で、まいりました。mnm
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御苦労様です。
Gilberto様
いつもご高覧ありがとうございます。
今年はシチリア強化年と考え、よりディープにまいりたいと思っておりますので、どうぞ
よろしくお見守りくださいませ。