Ferran Adriaの話

El Bulliのフェラン・アドリアはいいました。
「昔と今日で大きく変わったことといえば魚介類の調理法である。オーギュスト・エスコフィエのレシピを見ると、例えば伊勢エビのテルミドール。これは伊勢エビを茹でて、割って詰め物をしてまた温めて、といわばスーペル・クチナート。それを変えたのはヌーヴェル・キュイジーヌである。70年代の偉大なシェフたちの登場で何が変わったかというと魚介類の調理法。そして道具や科学の発達によって時間は短縮できるようになったが、調理そのものは変わっていない。昔は輸送や仕入れの問題もあったが長時間の調理では水分を失い、素材はカサカサになってしまう。なのでうちの店ではこうしている・・・」
ここからはじまる映像では驚異の料理が行われていた。口をぽかんとあけてみつめること数十分。さまざまな器具、機械。オリーブオイルのキャビアを作るための遠心分離機と蒸気オーブンは一体セットでいくらするののでしょう?フェランの世界は真似したくともそう簡単には真似できない高みにある。調理は極力短時間、しかしそこに至る幾千回もの実験に似た修練と、投資、何本もの手と労力を要求する準備。何よりもインスピレーションとイメージング能力。先人が誰も達したことのない世界に足を踏み入れ、かつて誰も作ったことのない料理の世界をゆくフェランの話は背筋を伸ばし、正座して聞くべきである。MASA
SAPORITAをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。