サン・ロレンツォ中央市場について
ようやく夏休みが明けた感あるフィレンツェのサン・ロレンツォ中央市場へ。とはいえ魚は見るもの無し。野菜もイマイチ。最近とみに思うことはこの歴史あるサン・ロレンツォ中央市場の観光地化。某食料品店が向いのスペースに観光客向けにテイスティングなどができるコーナーを設けたのをはじめ今度は老舗肉屋が一件閉店、その後に出来たのはまたしても土産物屋であった。市場内の土産物屋で若い日本人女性店員が「サン・ドライトマトありますよ」などと客引きする光景には、「惹かれる」人もいるとは思うが、逆に「引く」人も多いはず。古い店が消えてゆきフィレンツェの老舗のDNAを受け継がない店が増えてゆくのは、かつての変わりゆくトルナブォーニ通りをフィオレンティーニたちが嘆いたのと同じ様相。歴史は繰り返される。とはいえ今日も市場で客ひくうら若き女性たちはそうした伝統の存在も知らないのかもしれないが、フィレンツェ中央市場の近い将来の確かな衰退を招きつつあるのは一部の商業主義者たちであり、市場本来が持つ地産地消の精神はその対極にある消費主義へと徐々に向いつつある。イタリア全土津々浦々、美しいモニュメントが並ぶ旧市街の片隅で、もはや死にかけている市場を目にしたのは一度や二度ではない。 で本日の買い物はというと1キロ15ユーロのポルチーニ「エクストラ」の特大3ケ、しめて8ユーロ(約1280円)。さしがきれいに入ったビステッカ・センツァ・オッソ厚切り2切れとアリスタのブロックで計13ユーロ(約2380円)、安い!! 買い物帰りにヴィナイーノでスパゲッティ・アーリオ・オーリオ・モルト・ペペロンチーノ(お好みで増量)とインサラータ・ディ・ファッロ、クロスティーニ・ミスティなど。 夜は上記の食材でフンギ・ポルチーニ・トリフォラーティ、ビステッカ・センツァ・オッソ・アッル・アルピーナetc。アルピーナとはポルチーニの傘の部分だけをニピテッラ、ニンニクとともに蒸し焼きしたものをシンプルに塩こしょうニンニクで焼いたビステッカ上に乗せたもの。ガルガのシェフ、エリオ・コッツァの十八番。これにあわせるのはテヌータ・サン・グイドのLe Difese2004。MASASAPORITAをもっと見る
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私もこちらの市場の1階の一部にドンびきしたクチです。日本の物産館や物産展のようなノリで、日本人とみると”おみやげにどうぞー”とか声をかけてくる、日本人の若い女性経営の店、個人的にはイタリアらしさがなくて(たとえモノが悪くなかったとしても)買おうという気になれないのですが。
増えているということは、売り上げもよいのでしょうね。
売れればなんでもいい、というのはこの国では結構マジョリティな考え方なんです。だから、偽ワインとか平気で造ります。
でも、伝統とか、歴史とか、それを無視して「売れれば...」方式をごり押しする傾向はグローバリズムの波に乗って本当に顕著です。この国の未来をとても危惧しています。外人に言われたくないかもしれないけれど。
時間が作り上げたものは一度壊してしまうともう二度と戻ってこない。それをこの国に住む同胞諸君に今一度考えてもらいたい、そしてなおかつ市場で客引きするのであれば、その意義というものを確固として提示いただきたい、とつくづく思うのです。
いつかイタリアに住んでみたい、短期間でもいいので生活してみたい、と夢見ている者として、せつない話です。
私も1990年、2005年、2007年とフィレンツェに行きましたが、イタリアらしさが少しずつ後退してるように感じました。きっともっと地方の都市にいっても同様の傾向が進行しているのでしょうね。
サム助様 大変ごぶさたしております。グローバル化が進む一方、食の分野に関しては逆に伝統回帰の傾向がますます強まっているように思えます。スローフード運動、土着品種ワインへの回帰、再解釈料理などなど。こうした新しい「イタリア」もまたイタリアの魅力であると思います。後退と前進を繰り返しながらもバランシートの収支は保たれているのかもしれませんね。MASA
久々のFIRENZE 池田節、長いとこ待ちましたヨ!
やはり、メインのとこじゃないと!PORCINI、新潟ですと、東京のインポーター経由で、K、\7250です、エクストラ?どんなレベルの物が送られてくるのか?、k,15ユーロ、それもエクストラ、うらやましい限りです、ディープなFIRENZE情報お願いします。
新潟BACCO みよし様 ごぶさたしております。エクストラ・ポルチーニは見た目もそこそこ、虫食いもほとんどなく掃除が簡単でした。値段が安いと少々汚れていてもバンバン削れるから精神的にも良いです。でもぴかぴかの極上モノはやはりレストラン優先のようで、某高級店行きのポルチーニはそれはそれはおがみたくなるような美しさでした。