Biodiversita

Biodiversita「ビオ ・ディヴェルシタ」とは昨今イタリアでよく耳にする言葉です。日本語に直訳するとあまり意味が通じないので意訳するなら「食のID」といったところでしょうか。日本でも昨今食品偽装問題などなど食に対する不安が日々増しているようですが、イタリアにおいても日々自分たちが口にする食品のオリジン、つまりこの食品はどこから来ているのか?という疑問と不安は日々高まりつつあるように思えます。
そこで現在Slow Food協会が提唱しているのがこのBiodiversita運動。いうならば食品のセパージュ&テロワールを強調した地産地消運動、ということになるのでしょうか?郷土料理にこそ真実がある、という仮定をイタリア料理の定義とするならば、地方の食品、食材にこそイタリア料理のアイデンティティがある、とするこの考えはイタリア料理の本質をいいあてているのではないでしょうか。単に国産品こそが品質優秀、という考えはナショナリズムに相通ずる考えなのでしょうが、日本はじめその他の国々でよくあるように昨今どこかの誰かによるコンセプトおよび商業主義から生まれたような単なるブランド食材とは違い、イタリアの一地方で名もない生産者たちによって先祖代々綿々と受け継がれて来た食材だからこそ現在再認識する価値がある、それがこの運動のコンセプトであるように思えます。
日本ほど流通が発達していない、ましてやクール宅急便などありえない社会だけに地方に根ざした食品が生き生きと、またその存在理由をしっかりと見いだしているのではないでしょうか。その再発見、再定義がこの「ビオ・ディヴェルシタ」。トスカーナにおけるその記者会見、プレス・カンファレンスは2008年3月7&8日、アレッツォ近郊のモンテヴァルキで行われます。詳細はまた後日。本文には関係ありませんが写真はランツィのロッジャ@Firenzeにあるペルセウス像byベンヴェヌート・チェッリーニです。MASA
SAPORITAをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。
便利さを追い求めて失う物、必要最小限の生活
中に残る多くの物、最近よくそんな事を考えます。
池田さんの「イタリア老舗料理店」を読んでシンプルに豊かに生きるということが自分が望む生き方なんだと気づきました。
今僕は日本の企業でイタリアンやフレンチのお菓子を作る事を仕事にしています。
もともとヨーロッパへの憧れが強く、将来は家族と共にイタリアで暮らしたいと思っています。
次は「シチリア美食の王国へ」を探して読もうと思っています。ブログも今回初めて読ましてもらいましたが、これからも読ませて頂きます。
masataka様
ご丁寧なコメントどうもありがとうございました。また弊著お読み下さったとのこと重ねてお礼申し上げます。「老舗」を巡る旅とは実は地方都市に脈々と受け継がれて来た郷土料理を訪ねる巡礼の旅でもありました。
イタリア料理店に限っていうならばメガロポリスに一極集中している日本とイタリアが違う点は、イタリアの場合都市部よりもかえって地方や小都市、寒村にこそ名店が多い、ということなのではないでしょうか。だからこそイタリアは地方を巡る旅が楽しいのだと思います。そんなフィールドワークに根ざした旅の楽しみを少しでも伝えていけたらと思いますので、今後とも弊著ならびに弊ブログをどうぞよろしくお願いいたします。
池田匡克拝
池田さんのフォトはいつもどこか優しくて、温かみのあるものでとても心が癒されます。言葉がなくても、写真で語られている何かを感じ心温まりました。
いろいろなことで悩み、乱れた生活を送るあたしにとって池田さんのブログはとても刺激的で影響力があり、パワーの源です。
CHIEKO様
嬉しいコメントどうもありがとうございます。写真が何か語っているとしたらそれは私からではなくきっとイタリアからのメッセージです。それを感じていただければ嬉しい限りです。MASA