DOCGのもたらすもの

DOC、DOCGなどの格付けが消費者にどんな影響を与えているか話、第二弾。例によって
Teatro Naturaleのレポートによると、DOC&DOCGワインのトータルの生産量はワイン全体のそれの58%を占める(2005年)。前年比1%増。DOC&DOCGの地域別比率では北イタリアが42%、中部、南部がそれぞれ23%前後、島が13%強。島とはシチリア、サルデーニャのことだろう。(エルバやパンテッレリアも入っているのかどうか?は定かではない。)
さらに細かく分析すると、4つの事象が浮上する。その1。ワイン生産がその州の全農産物に占めるウェートが大きいが、DOC&DOCGとしての生産比率は全国平均より下回る(つまりバルク売りや安ワインが多い)のが、プーリアとシチリア。
その2。ワイン生産がその州のメイン農業でDOC&DOCGワインの生産比率が全国平均を上回るのがアブルッツォ、トスカーナ、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア、ピエモンテ、トレンティーノ・アルトアディジェ、ヴェネト。
その3。ワイン生産はメイン農業ではないが、DOC&DOCGワインの生産比率が高いのが、ロンバルディア、ヴァッレ・ダオスタ、マルケ、リグーリア、モリーゼ、ラツィオ。
その4。ワイン生産自体がさして盛んでないのが、サルデーニャに代表されるその他南イタリア全体。(つまり、カラブリアやバジリカータあたり。)
以上は想定内の分析結果。一方、気になるのが、消費量におけるDOC、DOCGワインの比率は2004年の43%から2006年は46%とこれまた順調に伸びているのだが、それがより質のいいものを求める傾向であるのは間違いないにしても、消費者はDOC、DOCGの違いについてはっきり理解はしていないという現実。消費者は「なんとなくお墨付き」イメージに流され、それを利用する業界という図式が定着しているらしい。国内ですらこうだから、国外マーケットで質、量ともにスペインに抜かれつつある現況からの脱却はますます難しくなるだろう。mnm
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