ミラノのマクベス

今、ミラノのスカラ座周辺はイタリアを代表するAlta Cucina、つまりは美食ゾーンとして活発に活動しているようです。好き嫌いは別としてCracco-PeckあらためCracco、Berton-Trussardiと行った星付きをはじめ復活Savini、シチリアの雄である、Al Duomo@Ragusa IblaのCiccio SultanoがLIVEを行うPark Hyatt。さらにはElio SironeのHotel BVLGARI、Four Seasons Milano、さらにさらにこれまた近々オープン予定のIl Marchesinoと、スカラ座周辺半径500m辺りはイタリア最高峰を目指して覇を競うレストランが密集しております。ちと足を伸ばせばさらにPietro LeemanのJoiaもあります。
そうした名店に通う人々を惹き付けるのはやはりミラノ社交界の中心であり続けるスカラ座ですが、その歴史の一翼を担ってきたSaviniの復活は、古くさいといわれようが、時代遅れと非難されようが、オールド・レストラン・ファンとしてはうれしい限りです。この飽食の時代、日本にはありとあらゆるイタリア料理とイタリア食材があふれているのだと思いますが、唯一存在しないのが創業100年くらいは序の口、そうそうたる口うるさい客人たちが通いつめた老舗イタリア料理店なのですから。無限の時間の堆積が生み出す空気感とは一朝一夕にはなし得ないものでして、そんな古ぼけた店の片隅に座ってしばし時を過ごすのはこの上ない喜びでもあります。惜しむらくはスカラ座一階にあったBiffiの変わりぶりです。ブルータス、お前もか?
で、3月30日からオペラ関係の仕事で実に久しぶりにミラノに行くのですが、さっきスカラ座のサイトをチェックしてみたところ4月1日初日のヴェルディ「マクベス」はな、な、なぁんと、大野和士様の御指揮ではありませんか!! 2004年にエクサンプロヴァンスにてインタビュー&大野様指揮の三島由紀夫「斑女」を拝見、その翌年、モネ劇場音楽監督時代には某七海誌の密着取材でブリュッセルまで出かけて、数日間飲食をご一緒させていただいたことがあります。その大野様がミラノでお振りになるというのに馳せ参じない訳にはいきません。というわけで早速平土間席チケット入手に成功。出発まで「マクベス」聴き込んでミラノに出かけます。MASA
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