地産地消トスカーナ・バージョン
昨今、フィレンツェの中央市場の低迷ぶりは目に余るものがある。観光客向けのお土産物屋ばかりが増え、暮らしに直結する食品販売店がどんどん消えていく。商売にならないからとサンタンブロージョ市場へ移転する店も少なくない。界隈に住む我々にとっては死活問題である。 先日リスボンで見かけた土曜日だけのビオの市では、中央市場とは比べものにならないほど新鮮でバリエーションに富んだ野菜やハーブが並んでいた。近隣農家が運んできたと思われるとれとれの野菜なんて、フィレンツェでは夢のまた夢だよなぁと嘆息。 そこに朗報。トスカーナの農家がフィレンツェの街中で直販する日がやってくるという。初回はノッテ・ビアンカの6月21日15時〜22時@カルミネ広場。フィレンツェ市主催の”ゼロ・キロメートル”、つまり、作り手と買い手の間に仲介者を設けず、安く環境にも優しい買い物プロジェクトというわけだ。出店は60軒ほどの見込み、野菜、サラミ、チーズ、はちみつやジャムなどが売られる。その後は夏休みをはさんで9月から第一土曜日に開催される予定だが、場所は毎回変わる。9月はサンタ・クローチェ広場。第一土曜日以外にも祝日やイベントがある日に随時開催。 消費者には嬉しいこのプロジェクト、でも、農家はフィレンツェ市から屋台を購入しなければならず、それがなんと2万ユーロ(320万円)もするという。そんなに高くて果たして出店者が集まるのか。フィレンツェ市の商魂がせっかくの企画をダメにしなきゃいいけれど。mnmSAPORITAをもっと見る
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