La Mescita@Firenze
フィレンツェ市内某所にあるそれはそれは古くてシブいメッシタは、その名もLa Mescita。このメッシタというのは量り売りのワインを飲ませつつつまみや料理も出すいわば居酒屋で、ヴェネツィアの華がバーカロ、トリエステの粋がブッフェとするならばフィレンツェの真実はこうした市井のメッシタにある。1927年創業のこの店は狭い店内にテーブルわずかに4卓の相席御免。ご母堂1人と男衆3人で営む、意外と、というと語弊があるやもしれぬがきちんとした丁寧なサービスの店。学生、会社員、外人、観光客などなどくんずほぐれつ入り乱れ、安くてうまい料理を求めにひっきりなしに客が訪れる。入り口ではパニーノ・エスプレッサ、つまりその場で作ってくれるパニーノが人気でテイクアウトもできるし、テーブル席でパニーノを注文することもできる。 幸い一番奥のテーブルが一卓空いていたのでそこに陣取り、赤ワイン半リットル、ブラチョーラ・フリッタにポルペッテを追加したわがまま盛りと本日の日替わりトリッパ。前者は5ユーロ+2ユーロでパーネ・フリット、つまり「揚げパン」がついてくる。後者は6ユーロ、激安。パスタはラグー、カレッティエッラ、トリュフ(!!)の3種でいずれも4ユーロ。これらはすべて作り置きだが、半地下にある調理場から湯気もうもうで1kgはゆうにある大皿パスタがこれまたばんばん運ばれてきてはあっというまになくなってゆく。唯一のドルチェはAcqua di Fior d’arancioのきいたパスティエラ・ナポレターナ。ちなみに本日のトリッパの他の日替わりメニューはというと火曜日ランプレドット、水アリスタ、木ポルケッタ、金バッカラ、土イケ・チェ・チェ。最後イケ・チェ・チェ」というのは何かというとフィレンツェ弁でいうところの「その日あるもの」つまり何が出てくるか分からない闇鍋というか、料理長(いるのか?)の気まぐれ、ですな。激安、激早、全メニュー制覇に向けてしばらく通うことになる、かも。MASASAPORITAをもっと見る
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