Antica Marinaの逆襲@CATANIA
エオリエ諸島からフィレンツェへの帰り道、他の用事もあって4日滞在したカターニアでは、2007年2月に訪れて以来1年4ケ月ぶりのAntica Marinaへ。例によってペスケリア市場をぐるりと見て回るが、以前よりも外人観光客の姿が格段に増え、市場の男衆も心無しか外人慣れしてきたというか、あれ食べろ、これ味見しろ、とやけに親切。もちろんこうしたおもてなしは嬉しいのですが、荒々しさがうりの頑固オヤジが年とってだんだん丸くなってきたのを見るような一抹の寂しさが。 というわけで3人でアンティカ・マリーナ(要予約です)のテーブルに着く。例によってサルヴォと「前菜食うか?」「食う?」「パスタは食うか?」「パスタはなんだ?」「お任せ&お楽しみだ、ワインはどうする?」「おまかせ」とシンプルな会話。やがて出てくるのが豊穣なシチリアの海の幸。どどどんと出てくるのは揚げダコのアグロ・ドルチェ、いわゆる南蛮漬けですな。ゆでだこレモン、ゆで小エビレモンマリネ、アリーチ・マリネ、バッカラ&フラゴリーノ、イワシのベッカフィーコ、マグロのオイル漬け&オリーヴ、カポナータ、とここまでが冷たい前菜。いずれも小皿に少しづつ盛られて出てくる。やがて温かい前菜、子イカをかりっと揚げたカラマレッティ・フリッティ、マグロのタリアータ・バルサミコ・ソースはシェフのジョヴァンニがCucina Italianaを見て作っちゃったようなちょっと方向が違う料理。さらにマグロの赤身、ウニ、マグロの卵の三色ブルスケッタ。これらを息つく間も無く、ワインを飲む時間もおしいほどにむさぼり尽くしたころパスタがやってくる。最初はこのところジョヴァンニの十八番となりつつあるようなムール貝とマウロという海藻のリングイネ。海水とオイルを乳化させたかような柔らかい無色透明のソース。さらに小エビとトマト、アーモンドのマッケローニという2連荘パスタで本日は打ち止め。セコンドはまたの機会に。さらにピスタチオのトルタとセッテヴェーリ、フラゴリーノのソルベットでしめてお会計はというとサルヴォにおまけしてもらったのを差し引いてもびっくりするような安さ。いつものことながらまた来たい、すぐ来たい、明日も来たい、そんなアンティカ・マリーナ。MASA

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