Ballaro市場にて
ヴッチリア、カポ、ボルゴ・ヴェッキオとパレルモに市場数あれど、最大最強、現役バリバリの市場といえばバッラロ。ジェズ教会から中央駅にかけて伸びる猥雑で強烈な色彩を放つ市場は、カターニアのペスケリア市場と並びシチリアの食の全てが凝縮しているといっても過言ではない、食材の坩堝でありパレルモ市民の胃袋を支える台所である。血を流したまま絶命しているカジキ(カジキマグロ、という日本語はない。念のため)、打ち捨てられ山となったカルチョーフィの葉、うずたかく積まれたタロッコ・オレンジ、ワンコインで買えるスフィンチョーネやパネッレ、光り輝くアンチョビ、イワシ、アジ、サバetc・・・。 こうしたキーワードは全てシチリア料理を理解するための重要なファクターであり、リストランテの純白のリネンをなでているだけでは見えてこないシチリアの真実である。何度見ても見飽きないワンダーランド、どんなに耳をすませてみても異邦人には聞き取れないシチリア人の腹の底からの魂の叫び、ああ、バッラロよ。そんな市場の風景を2分程度の動画にまとめてみました。音が出ますのでご注意下さい。BGMはマスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲です。MASA
http://www.youtube.com/watch?v=6_1ontFOuA0&hl=ja
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はじめまして。
池田さんには料理通信やブログを通じて多くの刺激を毎日貰っています。
私は東京でイタリアンのコックをしていますが、イタリアでの調理経験がありませんし、旅行程度しかイタリアを知りませんので、生き生きと描かれたイタリアを池田さんのブログでいつも感じ、毎日の料理に生かしてきました。
しかし、この度イタリアに3カ月程度ですが行けることとなり、今どのような旅にするか考えています。
できるだけ多くのお店をトラットリアを中心に食べ歩きしようと考えていますが、参考にできる本が限られてきます。信頼できる方の生の声が知りたいと思ってコメントさせていただきました。フィレンツェなどは池田さんの出された本やブログから行きたいお店は探しました。忙しい池田さんにこんな相談をするのは無理かと思いますが、池田さんのお店を探す際の、ヒントののようなものでも構いません、少しお聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。
masaki様
ご丁寧なコメントどうもありがとうございます。また、貴重な3ケ月のイタリア滞在時、食べ歩きの羅針盤の一つとして拙著など、お選びいただいたのだとしたら幸甚に存じます。
店を探す際のヒント、というほどのものはありませんが、私たちはガイドブックではOsteria d'Italia、Gambero Rosso、Michellinを常に複合的に活用しています。どれも一長一短ありますからどれがいいとか悪いとかいうのはあまり意味がないことですが、それよりも自分の中でそれらの情報を咀嚼しているうちに、輝いている情報は自ずと見つかって来るものだと思います。誰かに教えられた情報ではなく、そうした行為と時間の繰り返しによって得られる情報が少しずつ自分の中に蓄積し、やがてそうした蓄積自体が価値を持ち始める、と私たちはつねづね考えています。
そうしたガイドや書物を読み解き、行間を理解するにはイタリア料理はもちろんイタリア語への理解も必要ですが、そうした時間と苦労は結局は自分への投資となり、必ずいつか何らかの形で実を結ぶはず、と信じてやみません。
ちょっと話が固くなりました。ともあれ写真が無いイタリアのガイドブックとは、文章を読み解いて遠い異国の森羅万象を想像するという書物本来の楽しさを与えてくれますから是非活用してみて下さい。その他ご質問などあればいつでも喜んでお答えさせていただきます。イタリア道をきわめようとする同好の士からのお便りほど嬉しいものはありませんから。池田匡克拝
昨日三菱UFJの会員誌パートナーズが届いておりまして、サリーナの記事拝読しました。
多分、シチリアならお二人のクレジットがなくても、読んでいたかも知れません。
サリーナ島ってどこ?と、クレジットを見なければ読み飛ばしていたかもと思います。
新しい発見をありがとうございました。また興味が広がりました!
お忙しいところ、本当に丁寧なお返事ありがとうございました。
本当に池田さんの言う通りだと思います。何事も自分で苦労して、考えそして失敗して得られた経験のみが本当に価値があるものだということは、自分の経験でも分かってはいたのですが、異国の国への不安や、3カ月という限られた時間が、旅の本質を忘れさせていたかもしれません。
3カ月で多くのことを完結させようとすれば、必然と詰め込み式の旅になってしまいます。そうではなく、この3カ月がこれからの人生のきっかけを与えてくれるような旅にする為に、想像力と五感を働かせ旅を楽しんでこようと思えました。
イタリアへは4月末に行きます。初めはフィレンツェに1か月ほど滞在する予定です。『市場の美食散策ツアー』などお会いする機会がありましたら、お話お聞かせ下さい。どうかよろしくお願い致します。
長谷川聖城
kazuharu_2002様
コメントどうもありがとうございます。サリーナ島は「エオリエの蘭」と呼ばれるカッペリの花が咲き、風薫る南の楽園です。シチリアからもう一歩伸ばして彼の島へ。そんな旅を次回は是非。MASA
長谷川聖城様
GWも市場散歩ツアー、開催予定ですのでタイミングがあえば是非ご参加下さい。フィレンツェでお会いできるのを楽しみにしております。MASA