Osteria San Niccolo@Firenze〜Cenone
オルトラルノでカフェ、トラットリアなど新しめの飲食店が集中しているサン・ニッコロ界隈にあるオステリア。正式名称はOsteria Antica Mescita San Niccoloですが長いので便宜上オステリア・サン・ニッコロと呼ばせていただきますが、かつてスローフード・トスカーナ支部主宰の「内臓ナイト@Osteria San Niccolo」に参加して以来●年ぶりに足を踏み入れたのは毎月恒例、Perbaccoの横田夫妻が主宰する「肉の日」に参加したからであります。 この店の特徴はフィレンツェに多い半地下の店「ブカ」に準じた地下にあるダイニング・スペースで、以前例の内臓ナイトで聞いた話では、この地下空間は隣接する10世紀のサン・ニッコロ・オルトラルノ教会につながっており、かつては地下墳墓クリプタだった、というような逸話で参加者全員「え〜!!」と感嘆嘆息したような記憶が。つまりこの店では地下墳墓で内臓を喰らうという掟破りのトスカーナ料理が堪能できるのであります。古い話なので間違ってたらすみません。とここまで書いてからサイトを見たらやはりそうのような話が書いてありました。ご興味ある方はこちらからどうぞ。 で、12月29日忘年会を兼ねた2010年最後の「肉の日」に集まったのは猛者8名。いつしか暗黙のルールとなったのはパスタを飛ばして肉を骨の髄まで堪能するという月に一度の謝肉祭。会議が出来そうな奥の正方形テーブルに陣取り、プロセッコやらカラフの赤ワインやら飲みつつ食べた料理はといいますと。カーヴォロ・ネロのクロスティーニ。これは加熱が足りず水っぽかった。さらに内臓三種盛りのデグスタは給食や病院で見かけるような三つに分かれた皿に盛られて登場。ランプレドット、トリッパ・アッラ・フィオレティーナ、ファジョーリ・アッル・ウッチェレット。どれも美味しゅうございましたが薄くて冷たい皿にこの手の料理を盛って出すのはいけないな。冬のサン・ロレンツォ中央市場、食堂ネルボーネの冷たい大理石のテーブルで、皿盛りトリッパを鼻すすりながら食べるのとは違うのだから、トリッパ、ランプレドットは温めた冷めにくいぶ厚い皿で出す必要がある。ソスタンツァ他の老舗でトリッパは素焼きのコッチョやミニ鍋テガミーノで出てくるのにはそれなりの理由があるのだから。でも全体リーズナブルでカジュアル、理解しやすい料理がきちんと出て来るいい店です。ローストビーフはノーマルと肉汁を掛けた英国風の2種。豚ロースト・アリスタ、タリアータ。一番人気はウサギのヴェルナッチャ煮込みでありました。グラッパで締めてさらに向かいのカフェ・リフルッロでモヒートを一杯。 翌々日の大晦日は毎年恒例チェノーネならぬ紅白見ながらの年越し忘年会第二部。午前中に仕込みしながら狸そばで早めの年越しそばにした後、夜の部では総勢6名で空けたワイン6本、飲み残し3本。料理はといいますとスズキの昆布締め、アジ、マグロ、ヅケ、車エビの握り計50貫。卵焼きカミナリ・コンニャク、ポテトサラダ、カジキの照り焼き、ナマス、卵入り肉煮込み「バクダン」、いなり寿司、餅米焼売。締めはトルタ・イリスとロゼ・スプマンテ。窓の外では爆竹の音、部屋中では「ありがとう」〜「トイレの神様」。MASA

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