ベルリンのターフェルシュピッツ
11月11日よりベルリン→プラハ→ウイーンと移動して、ひさびさに戻って来たフィレンツェ。ベルリンでは体感温度0度の寒さに加え日没は16時30分という取材者泣かせの日々。取材の合間に入るカフェやレストランで温かいものを口にすると、もうドイツ料理がうまいとかまずいとかいってられなくなる。ハイパワー、ハイカロリーな食事は寒さに打ち勝つ必須食品。冬のヴェネツィアで朝から飲むグラッパが嗜好品ではなく必需品であるのと同様、現地で体験してみないとこうした料理の善し悪しは感じ取れないものである。地理的不利からイタリアに比べると食材の種類は驚くほどに少ない。こうした寒い土地で栽培できるのはジャガイモ、タマネギ、キャベツぐらいで、ハウスものの緑黄色野菜を口にしても驚くほどに味が、ない。 イタリアより料理が充実した国を探す方が難しい、ということは重々承知しているし、過去に嫌になるほどドイツを旅しているのでそのへんあえて不平不満はこぼしませんが、ベルリンで美味しいのはジャガイモ、ぐらいで豚肉ももう少し上手に調理すれば・・・と思うことしきり。ソーセージの美味しさでいえば1にニュルンベルク、2にフランクフルトでベルリンは可もなく不可もなく。ビールも同様、1はケルン、2はデュッセルドルフ、3にミュンヘン。ドルトムントは知らないが多分上位に来るのかと。ベルリンは可もなく不可もなく。。。食べ歩きはミッションだったのでドイツ料理以外にもイタリア料理、フランス料理、和食、カフェと食べ歩きましたが、寒いある日に食べたターフェルシュピッツは秀逸でした。 ターフェルシュピッツとは子牛のゆで肉料理。これにホースラディッシュをつけて食べるのは冬のウイーンの名物で、プラフッタ@ウイーンが有名。ベルリンというよりはウイーン風のややスノッブなレストランではホースラディッシュのホワイトソースと、子牛のブロードで茹でた付け合わせも秀逸でした。見た目もいわゆる「洋食」そのもので、この店では料理の進化は70年代ぐらいで止まっているようです。

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