Ginoriのtazzine da caffe
これまでにも何度か経営破綻に陥って、その度に誰かに買われて生き存えてきたリチャード・ジノリ。しかし、今度ばかりはだめかも...と思っていると、きっとまた再生するんです。「誰かが買いたたくよ、安く安く買うよ」とキッチン道具店Annibali Chitiのジャナントニオも言うし。しかし、某TVの取材で工場密着したときのテーマが『経営危機を乗り越えた奇跡の企業』。あれは2年前。そして再び、いや、三たびの破綻です。 300人の職人・従業員の生活もそうですが、一度火を落とした窯の温度を再び上げることがどれだけ大変か。何百メートルにも及ぶ窯は、陶磁器メーカーにとっては文字どおり心臓部。火を絶やしてはいけないと言っていたあの職人さんはどうしているんだろう。 今、フィレンツェのジノリ直営店はいつにもまして叩き売り状態。これまでもseconda sceltaものは安く売っていましたが、店のなかに破れかぶれな空気を感じます。でも、ものすごく安くなっているわけでもないようです。そのへん、イタリア人は抜け目ありません。 Annibaliで購入したこのカフェ用のカップは、いわゆるホテレス・バージョン。業務用の厚手のタイプ。本当はこれよりひと回り大きい、ホットチョコレートのカップが欲しかったのですが、もう新規製造品には遭遇できないでしょう。デッドストックを地道に探すほかはありません。 2年前のジノリでは、「こういうほうが売れるのよ」とカラフルで妙ちくりんな模様のものを強く推薦されましたが、一番の売れ筋はやはりヴェッキオホワイトであったことは言うまでもありません。2年前のあのとき、すでに道を誤っていたのではないかと思ってしまうのです。SAPORITAをもっと見る
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