ロシアより愛をこめて
皿は白に限る、と断言はしませんが、白はやはり便利です。なにしろ料理を邪魔しません。でも、この原則は西洋料理に限ります。料理そのものの存在感がなにしろ強いですから。一方、日本料理はそうではありません。器との共存、和があっての料理なのです。 盛りつけと余白のバランスは本当に難しい。それは和食器でも洋食器でも同じこと。しかしそれについては、日本料理のほうが一日の長があるという気がします。西洋料理で、特にハイクラスを志す店では大きな皿に驚く程小さく盛っているのをしばしば見かけますが、小さく盛るのは実は簡単なこと。難しいのは皿とのバランス、トータルな完成度です。 この白のデザート皿はロシアのもの。ジャムたっぷりのタルトなんかぴったりです。白も、磁器の透明感のある白ではなく、陶器ならではの温かみのある白。寒い国ですから。こういうラフなお皿なら、余白をあまり気にせず食べたいものを食べたいだけ盛ってもおさまりますね。

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