内側にも溝がある、Voielloドッピア・リガトゥーラ登場
先日、フィレンツェのレプッブリカ広場にどかーんと掲げられた広告を見て思わずのけぞった。それはトマトソースがからまったヴォイエッロの新作ペンネの広告なのだが、タイトルはドッピア・リガトゥーラ、つまりペンネの内側まで溝が刻み込まれた2枚刃パスタ?なのである。果たしてそのようなパスタはこれまで存在したのか?と気になって家にある手持ちのショート・パスタ10種類ほどを調べてみたところ、ドッピア・リガトゥーラのような内側にまで溝が刻まれたショートパスタはひとつもなかった。この新作ペンネの発売は2014年4 月とのことなので今年のCIBUSで見たはずだがどうも記憶に無い。パスタの表面積が増えることでソースがより絡みやすくなるのは明々白々、ヴォイエッロの研究によればこの2枚刃効果でソースのからみは20%アップするという。ちなみにヴォイエッロのサイトを見てみるとこのドッピア・リガトゥーラ・シリーズは他にメッツェ・ペンネ・ リガーテ、ペンネ・ズィーティ・リガーテの3種があり、それぞれのスペックは以下の通り。 No.152 Penne Rigate(長さ50mm、直径、8.67mm、厚さ1.35mm) No.154 Mezze Penne Rigate(長さ30mm、直径、8.67mm、厚さ1.35mm) No.155 Penne Ziti Rigate(長さ45mm、直径、7.4mm、厚さ1.25mm) さらにサイトを読み込んでみると、さらにさらに驚きのNo.107スパゲッティ・スカナラーティ、つまり溝付きスパゲッティなる商品もいつの間にか発売されていた!! これはどちらかというとスパゲッティというより、扁平率70%ほどのバベッテに似た断面を持つロングパスタの中央部に両側から溝を刻み込み、8の字型にしたもの。米粒に般若心経をしたためる日本人の緻密さも大したものだが、スパゲッティにまで溝を刻み込むという、パスタ道を追求することに関しては他者の追随を許さない執念にも似たイタリア人の職人気質にはひたすら平伏する。こうなれば次に待たれるのは二枚刃構造で内側にまで溝が刻まれた穴開きロング・パスタ、ブカティーニ・ドッピア・リガトゥーラか、究極のソースのからみを体感できるよう螺旋構造の溝が内外両側に刻まれたスパゲッティ・フジッラーティか。天使の髪の毛の異名を持つカッペッリーニ・リガーティまでいくともはやパスタの構造的には不可能か?パスタのパッケージを手にすると妄想は果てしなく広がる。

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