フィレンツェ美食散歩05 オメロ
フィレンツェ旧市街からはちょっと離れた小高い丘の上にある眺めの良いレストラン。歩いても行けないことはないがやや遠いのでタクシーに乗るのが無難。たいていは住所をいわなくても「リストランテ・オメロ!!」で通じるはず。ローマ門から街の南へ出てポッジョ・インペリアーレから古い石垣の道を行くことしばし。やがて到着したのが一見普通の民家のような一軒家レストランン、それが「オメロ」。 1945年の創業当初は食料品店だったため、入り口を入るとまずはそうしたよろず屋スペースがあり、薪の香りに誘われて奥へと進むと、トスカーナの糸杉を見下ろす眺めの良いダイニングルームに出る。中世の城壁を一歩外に出れば別世界のようなのどかな風景が広がっているのがフィレンツェの魅力だが、市内から車でわずか数分にしてこの豊かな自然。この眺めが「オメロ」最大のごちそう、というと語弊があるが料理ももちろんいい。名物は「オメロ風子牛のコトレッタ」。いわゆるミラノ風子牛のカツレツにトマト、バジリコ、ニンニクをあえたブルスケッタの具を乗せたもの。あえて「ミラノ風」とは呼ばないところから、ひしひしと感じるフィレンツェ料理人たちの気概。

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