ドン ペリニヨンP2とデュカスの競演
16年という長い歳月を経てリリースされる特別なワイン、それが「ドン ペリニヨンP2」だ。2016年1月、厳寒のパリで「ドン ペリニヨンP2」とアラン・デュカス、ワインと美食の夢の競演が行われた。会場はパリのプラザ・アテネ、招待されたのはヨーロッパから選ばれた3名のフード・ジャーナリストのみという超エクスクルーシヴ・ディナーだった。 ワインにおける熟成を表現する言葉はいくつかある。エイジング、メイチャー、オールド・ヴィンテージ。しかしプレニチュード「完全なる熟成」という言葉が似あうワインはそう多くない。16年の熟成期間を経てリリースされる「ドン ペリニヨンP2」はまさにそのプレニチュードの結晶、ラグジュアリーの最高峰に位置するワインだ。「ドン ペリニヨンP2」の熟成は2段階にわたる。第1段階は静かに眠るように進行し、8年経過すると最高潮の調和となって現れる。これがドン ペリニヨン ヴィンテージだ。しかしそこからさらに8年熟成させ16年という長い年月を経たドン ペリニヨンは力強さの全貌が現れ、無限の奥行きや最上級のフィネスが出現する。これが2段階のプレニチュードP2を意味する「ドン ペリニヨンP2」なのだ。 その「ドン ペリニヨンP2」がアラン・デュカスとコラボレートするという。ワインと美食の協奏曲は冬のパリ、ホテル・プラザ・アテネの「アラン・デュカス」で上演された。まずは、とソムリエが抜栓してくれた「ドン ペリニヨンP2」を一口。今回は通常のフルートグラスではなく、より芳香を感じられるようにと白ワイン用のグラスが選ばれた。あくまでも細かく繊細な泡と柔らかく、しかし力強い香り、そして無限のミネラルと凝縮感のある味わいはまさにシャンパーニュの最高峰と呼べる圧倒的な存在感。今回デュカスが考えたのはアミューズからメインまで「ドン ペリニヨンP2」の実力を最大限発揮できるメニュー。どのように「ドン ペリニヨンP2」とアラン・デュカスの世界が表現されるのか実に楽しみだ。 アラン・デュカス考案の料理に「クック・ポット」がある。これはそのまま加熱することも蒸すこともできる独特の形をした白磁の器で出されるデュカスのスペシャリティ。今回は冬野菜と豆類を蒸し煮にした野菜料理と、子牛肉と白トリュフのブレゼで登場した。ともに火入れは最小限、素材の持ち味と軽やかな味付けで「ドン ペリニヨンP2」の芳香と見事な調和を見せてくれた。ホタテのグリル、カボチャのソースと黒トリュフは、「ドン ペリニヨンP2」とホタテや黒トリュフの香りといった相性が計算され尽くしている。ホタテと黒トリュフも複雑な香りが相乗効果となって「ドン ペリニヨンP2」の奥行きをさらに広げさせ、白トリュフのリゾットは温と冷のコンビネーションを楽しませてくれた。暖房が効いているとはいえ厳寒のパリの屋外で食べる熱い料理は、良く冷えた「ドン ペリニヨンP2」をぞんぶんに引き立ててくれた。この寒さまでもが演出なのかと、「ドン ペリニヨンP2」とアラン・デュカスが演出する世界にしばし呆然。このコラボレーションは一夜限りでなく、今後世界展開される予定である。進化する「ドン ペリニヨンP2」、究極のプレニュチュードを日本で体験できるのもそう遠くないかもしれない。SAPORITAをもっと見る
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