イタリア料理2019年の新傾向 Espresso速報
8月のこの時期、イタリアはバカンス・モードの真っ只中だが毎年秋に一斉に発売されるレストラン・ガイドの編集作業もピークを迎えている。そんな中、「グイダ・エスプレッソ Guida Espresso」主幹であるジャーナリスト、エンツォ・ヴィッツァリから2019年度版Espresso誌の表彰者が一部発表された。これは事前情報露出アンテプリマAnteprimaと呼ばれ、イタリアでのメディアでは日常的に行われている手法だ。 2019年の傾向としては、昨年から引き続き北イタリアを中心とした注目レストランが続々と誕生していることであろう。昨年度版の版Espresso誌でも、ミシュランの星に相当する帽子の数でいうならばミラノがトップで、次いでヴェネトとピエモンテ。そうしたガストロノミー・ランキングは今年も変わらないようだ。 最注目はフェラン・アドリアがコーヒー・ブランド「ラヴァッツァ Lavazza」とコラボし、イタリアで初めてコンサルティングした「コンディヴィーデレ Condividere」だろう。シェフに就任したフェデリコ・ザナージ Federico Zanasiはモデナ出身の41才。ボローニャの名店Amerigo1934でキャリアを積み、フェランに抜擢された料理人。「コンディヴィーデレ」は2019年度版でイノヴェーション賞 Premio Innovazioneを受賞した。 フランチャコルタ地区に位置するグッサーゴ Gussagoにオープンしたレストラン「ディーナ Dina」のシェフ、アルベルト・ジッポーニ Alberto Gipponiはマッシモ・ボットゥーラの元で修行。オープンわずか8ケ月ながらニューカマー賞 Novita dell’Annoに輝く。 トスカーナとエミリア・ロマーニャ州の州境に近いサン・ピエロ・イン・バーニョ San Piero in Bagnoに登場した「ダ・ゴリーニ Da Gorini」のシェフ、ジャンルカ・ゴリーニ Gianluca Goriniはカルロ・クラッコ、アンドレア・ベルトンらと並ぶマルケージ門下パオロ・ロプリオーレの元で学んだ、いわばマルケージの孫世代に当たる料理人で「ダ・ゴリーニ」と同じくニューカマー賞 の栄誉に輝いた。 最優秀若手シェフに選ばれたのは若干27才、ソレント近郊にある「クアットロ・パッシ Quattro Passi」のファブリツィオ・メッリーノ Fabrizio Mellino。近年南イタリアからは続々と若くて優秀な料理人が誕生しているがファブリツィオのその系譜を継ぐ存在となるか? 他に発表された表彰としては最優秀ソムリエが、ミラノの「テラッツァ・ガッリア Terazza Gallia」の女性ソムリエ・ヴァレンティーナ・ベルティーニ Valentina Bertini。最優秀メートルがオルタ湖の2つ星、アントニオ・カンナヴァッチュオロがシェフを務める「ヴィッラ・クレスピ Villa Crespi」のマッシモ・ラウジ Massimo Raugiが受賞した。上記表彰など2019年度版レストラン評価が掲載された「グイダ・エスプレッソ」は11月発売予定。写真は2018年5月、サンペレグリノ・ヤング・シェフ決勝後に登場したマッシモ・ボットゥーラ。SAPORITAをもっと見る
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