パレルモでストリートフードが味わえるおすすめ4軒
2月に続いてシチリア州都パレルモを訪れて市場や下町を周り、ストリートフードを食べ歩いたのでその考察。ヴッチリア、バッラロと並ぶパレルモ3大市場として名高いカポ市場を数年ぶりに訪れてみたが、ここでもストリートフード・ブームは顕著で多くの店がアランチーノやパネッレなどを食べさせるターヴォラ・カルダ的飲食店に変貌していた。一方ヨットハーバーに近いマリーナ広場周辺には、昔ながらの老舗ターヴォラ・カルダも残っている。今回はそんなパレルモで、本物のストリートフードが味わえるおすすめの優良店4軒を紹介したい。

Friggitoria Arianna フリッジトリア・アリアンナ

Via Porta Carini,51 Tel無し
フリッジトリアとはパネッレ、クロッケ、アランチーニなど揚げ物を扱うターヴォラ・カルダ。カポ市場にあるこの店は娘のアリアンナが店をしきり、注文が入るたびに「マンマ、パネッレ・エ・クロッケ〜」と、厨房の母親に声をかける家族経営の店。てきぱきはたらくその見事なチームワークは見ていて惚れ惚れするほどだ。ひよこ豆のペーストを揚げたパネッレも、ジャガイモにミントを混ぜたコロッケ=クロッケも注文が入ってから揚げてくれるし、サルシッチャのパニーノを注文すればこれもその場でサルシッチャを割き、グリルしてからパニーノにしてくれる。ストリードフードとはいえ作り置きをそのまま出すのではなく、ひとつひとつ注文に答えてくれるのがこの店の気概。しかもこうした丁寧な仕事にも関わらずパネッレ、クロッケはなんと一皿1ユーロ!!

Nni Franco U’Vastiddaru ンニ・フランコ・ウ・ヴァスティッダル

一方こちらのフリッジトリアはパレルモ市内を東西に走る目抜き通り、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りの東の突き当たり近く、マリーナ広場の角にある。テイクアウトもイートインもできるが名物は揚げ物の盛り合わせアンティパスト・カルド。一口サイズのアランチーネ「アランチネッレ」、パネッレ、クロッケ、ベシャメル・クロッケ、そしてそしてクロスティーニだが、これはいわゆるトーストしたパンにレバーペーストなどをトッピングしたトスカーナ風クロスティーニとは異なり、薄切り食パンにモッツァレッラとプロシュット・コットを挟んで揚げた揚げトースト。いずれも胃にずしんとくるヘビー級だが、これが慣れると病みつきになるのだ。
 

Pani Ca’ Meusa Porta Carbone パーニ・カ・メウサ・ポルタ・カルボーネ

ヨットハーバー沿いのカーラ通りにある、1943年創業の老舗。子牛の肺と脾臓(ミルツァ=シチリア弁でメウサ)を特製の鍋でふつふつと煮込み、注文が入ると油を切り熱々をパンに挟んでくれる。新鮮なミルツァと厚切りでざっくりとした食感。なによりも2台の鍋で注文をてきぱきさばくスタッフの男っぷりには思わず見とれてしまう。老若男女、次から次へと客が訪れてはパーネ・カ・メウサを注文してはかぶりつく、地元に愛される名店。
 

L’Apino Sfincionaro アピーノ・スフィンチョナーロ

Piazza Kalsa, Palermo カルサ広場周辺
パレルモを代表するストリートフードの最後はスフィンチョーネ。パレルモ風ピッツァともいえるこの味はフリッジトリアやパン屋でも出会えるが、オート三輪アーペを改造したミニ屋台「アピーノ」の味を試してみたい。こうした移動販売はスフィンチョナーロと呼ばれ、パレルモ市内を徘徊しているの。平日の午前中はカルサ広場周辺に出没することが多いのでスフィンチョナーロ目当てにカルサ地区を散策してみるものいい。ツーリスティックではない、本物のパレルモ下町の味に出会えるはずだから。
 

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