アブルッツォワイン紀行5 チトラとアブルッツォ民謡の宴
次に訪れたワイナリー「コーディチェ・チトラ Codice Citra」は1973年創業の生産者組合。組合とはいえ、キエティ県に9つのワイナリーを持ち、3000のブドウ農家が加盟。キエティ県のほぼ全域に当たるアドリア海の内陸部40km、南北90kmにおよぶブドウ畑は総面積6000ha、年間1800万本を生産するアブルッツォ最大の生産者組合だ。これは南イタリアでも最大規模であり、チトラをしのぐのはシチリアのCantine EuropaとCantine Settesoli両生産者組合ぐらいか。エノロゴ合計22人、1時間あたり22万本の瓶詰めが可能な施設を所有している。生産しているのはモンテプルチアーノ、トレッビアーノの他ペコリーノ、パッセリーナ、ココッチョーラ、モントニコ。ここでは36ケ月瓶内熟成のスプマンテ・メトド・クラッシコFenaroli2種、ペコリーノ100%とモントニコ100%、Montepulciano d’Abruzzo “Ferzo”, 同じくriservaの”Laus Vitae”, Caroso”というクリュ違いのモンテプルチアーノ3種を試飲。しかしここでは試飲も駆け足、10分で終えるとエノロゴのリノが「詳しい話は食事しながらモンテプルチアーノを飲もう」と一同全員車に乗り込みランチャーノ Lancianoにある「グラッポロ・ドーロ Grappolo d’Oro」へと向かった。 そこでわれわれを出迎えてくれたのは地元ランチャーノ有志によるアブルッツォ民謡楽団。彼らが演奏してくれるアブルッツォの愛の歌を聞きながらサラミ、フリッタータ、などの前菜。パンと卵で作った肉なしポルペッティーネのトマトソースが秀逸だった。パスタは目の前で実演してくれた赤ワイン入りのキタッラ、そして皮がぱりぱりで香ばしい焼きたての自家製サルシッチャ。これらを食べながらMontepulciano d’Abruzzo “Ferzo” 2016を飲む。ダークチェリーを思わせる香りと黒に近い濃紫の色に重厚な味わい。これで一般小売価格は8ユーロ前後だというから驚きだ。毎度のことながらアブルッツォ・ワインのコスパの高さに驚かされる。 Codice Citra www.citra.it Contrada Cucullo, Ortona(CH) Grappolo d’Oro Via Nasuti 110a, Lanciano (CH) Tel340-4505008SAPORITAをもっと見る
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