夏のプロセッコDOCキャンペーン開催中
プロセッコの丘陵地帯が新たにユネスコ世界遺産に登録されたことはまだ記憶に新しいが、去る2019年7月24日ザストリングス表参道にてプロセッコDOC協会日本プロモーション2019年Educational Dayが行われた。これは毎年対日プロモーションに力を入れているプロセッコDOC協会の2019年度中間報告ともいえるもので、下半期に向けてまずは「プロセッコ月間」と題し2019年8月1日〜31日にかけておこなわれるレストラン・キャンペーンが行われることをあらためて発表。こちらの日本国内参加161店舗では期間中にプロセッコを推奨、各店舗毎に販売促進に務めることになる。 記者会見ではまず駐日イタリア大使代理ニッコロ・タッソーニ氏がイタリアはフランスに次ぐ対日ワイン輸出国であることを強調。2019年は対前年比+4.63%と好調でこれはEPA撤廃のおかげでもあるとコメント。フランス産スパークリングワインに比べるとプロセッコは価格的にも若い世代に受け入れられやすく、アペリティーヴォとして愛飲されることが多いが是非このトレンドを定着させたいとのこと。 次いでプロセッコDOC協会のプロモーション担当ターニャ女子が流暢な日本語を駆使してプロセッコを巡る状況について解説。ICE=イタリア大使館貿易促進部とのコラボポロモーションは今年で3年目になるが、日本ではプロセッコの名称はまだまだ有名ではない。EPA撤廃により今後はさらに新たな可能性があるはず、と話した。イタリア現地ではプロセッコDOCの生産量は2009年に比べると4倍に増加、総面積24450ha、総生産量は4億6400万本でそのうち75%が輸出されている。主要国は米、英、独、仏で日本はまだまだマーケットとして潜在的ポテンシャルがあるはず。また規定が改定され2020年収穫からロゼ・プロセッコを生産することが可能になるとのニュースも。順調なら2021年にはロゼ・プロセッコが日本でも飲めるようになるはずである。 また同プロモーションのテスティモニアルには「テロマエ・ロマエ」などで知られる漫画家のヤマザキマリさんが任命され、毎月プロセッコ12本が贈られ、SNSなど様々な機会でPRを展開するプロジェクトが発表されヤマザキマリさんも登壇。現在もパドヴァに自宅があり、ヴェネトの親戚が多いことからなにはなくともプロセッコ、という生活だったというエピソードを披露。その後行われたランチブッフェ・パーティで言葉を交わした際にもしばしプロセッコ談義に花を咲かせることができ、快活でラテン的なその性格のおかげで途端に意気投合することができた。 プロセッコDOCの歴史を簡単にまとめると、史上初めてプロセッコDOC地域に該当するエリア、トリエステでのワイン生産に関する記述は紀元前1世紀のローマ時代に遡る。1500年代にはオーストリア=ハンガリー帝国秘書官であり著述家のピエトロ・ボノーモが、古代ローマの作家プリニウスの「博物誌」の内容を調査。一部の歴史家たちは同作品内にある記述「プチン」は古代のプロセッコのことと考えるようになった。1754年には詩人アウレリアーノ・アカンティがワイン詩「イル・ロッコロ」の中でプロセッコの魅力を褒め称える。文献上史上初めて「プロセッコ」という名称が登場し、このワインがフリウリ・ヴェネツィア・ジューリアおよびヴェネト地方で作られていると記した。 1876年にはアントニオ・カルペネとジョヴァンニ・バッティステタ・チェルレッティの尽力により、コネリアーノ醸造学校が創設され、ブドウおよびワイン生産の改良を目指す二次発酵を記した概説書が作られる。同時期にはプロセッコ地域におけるスパークリングワイン生産に適したブドウの特性評価(形態学的、遺伝子学的研究と分類)がマルコ・ジューリオ・バルビ・ヴァリエール評価によって初めて行われた。今現在われわれが知るスパークリングワイン、プロセッコの誕生はアントニオ・カルペネ、トゥッリオ・デ・ローザ両教授の貢献が大である。プロセッコは1970年にはIGTに認定され、2009年にはEU規則に基づき地理的呼称として正式に認定され、プロセッコDOC、プロセッコ・スペリオーレ・コネリアーノ・ヴァルドビアーデネDOCG、プロセッコ・スペリオーレ・アーゾロの3種類のDOPプロセッコ・ワインを認証、保護されることになり現在に至る。 最後に今回の対日プロモーションにはプロセッコDOC協会から24社が参加したがそのリストは以下の通り。上記プロセッコキャンペーン参加店では彼らのプロセッコが飲めるはずである。 Antonio Facchin&Figli Biancavigna Bosco del Merlo Bottega Cantina Pizzolato Casere Castello di Roncade De Stefani Fidora La Gioiosa La Marca Le Contesse Le Rughe Masottina Piera Martellozzo Riccardo Serana Wines 1881 Sessantacampi Az.Agricola Luigino Zago Tenuta Sant’Anna Tenuta Santomè Torresella Valdo Villa Sandi Viticoltori PonteSAPORITAをもっと見る
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