PROSECCO DOCの故郷を訪ねて
プロセッコとは主にヴェネト州、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で生産されている、イタリアを代表するスパークリングワインのことだ。プロセッコの歴史を簡単にまとめると、史上初めてプロセッコ地域に該当するエリア、トリエステでのワイン生産に関する記述は紀元前1世紀のローマ時代に遡る。1500年代にはオーストリア=ハンガリー帝国秘書官であり著述家のピエトロ・ボノーモが、古代ローマの作家プリニウスの「博物誌」の内容を調査。一部の歴史家たちは同作品内にある記述「プチン」は古代のプロセッコのことと考えるようになった。1754年には詩人アウレリアーノ・アカンティがワイン詩「イル・ロッコロ」の中でプロセッコの魅力を褒め称える。文献上史上初めて「プロセッコ」という名称が登場し、このワインがフリウリ・ヴェネツィア・ジューリアおよびヴェネト地方で作られていると記した。 1876年にはアントニオ・カルペネとジョヴァンニ・バッティステタ・チェルレッティの尽力により、コネリアーノ醸造学校が創設され、ブドウおよびワイン生産の改良を目指す二次発酵を記した概説書が作られる。同時期にはプロセッコ地域におけるスパークリングワイン生産に適したブドウの特性評価(形態学的、遺伝子学的研究と分類)がマルコ・ジューリオ・バルビ・ヴァリエール評価によって初めて行われた。今現在われわれが知るスパークリングワイン、プロセッコの誕生はアントニオ・カルペネ、トゥッリオ・デ・ローザ両教授の貢献が大である。プロセッコは1970年にはIGTに認定され、2009年にはEU規則に基づき地理的呼称として正式に認定され、プロセッコDOC、プロセッコ・スペリオーレ・コネリアーノ・ヴァルドビアーデネDOCG、プロセッコ・スペリオーレ・アーゾロの3種類のDOPプロセッコ・ワインを認証、保護されることになり現在に至る。 今回はプロセッコDOC生産者組合 Consorzio di tutela DOC Proseccoから全面的協力をいただき、主にプロセッコDOC地域の生産者とレストランなど「プロセッコDOCと美食の旅」をテーマに旅した。それは今後一連の記事として紹介していく予定なのでしばしおつきあいいただき、グラス片手に気持ちだけでもプロセッコDOCの地に飛ばしてお楽しみいただければ幸いである。SAPORITAをもっと見る
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