最新プロセッコ・ミクソロジーを知る Cloakroom@Treviso
トレヴィーゾ中心部にある「クロークルーム Cloakroom」は現在イタリアでムーブメントとなっているミクソロジー・バーを牽引する存在だ。ロンドンやコペンハーゲン、スイスなどのバーで働きキャリアを重ねたバールマン、サムエル・アンブロージ Samuel Ambrosiは2013年に同バーをOPEN。かつてブティックだった空間を改装したことからワードローブを意味する「クロークルーム」と名付けた。旧市街に浮かび上がるガラス張りのクールな空間は、思わず足を踏み入れてみたくなる存在感だ。 例によってプロセッコ DOC協会のタニア嬢に誘なわれて訪れてみたところ、入り口にはこんな看板が掲げられていた。「No aperol spritz, no Caffe, no food」アペロール・スプリッツ、コーヒー、食事はありません、なんともこぎみよい潔さである。アペロール・スプリッツとはイタリアのリキュール、アペロールをプロセッコと炭酸水で割り、オレンジやレモンを加えた食前酒で、ヴェネト地方では特によく飲まれている定番中の定番カクテルだ。しかしこれは時には「とりあえずビール」的な飲まれ方をしていることが多く、「クロークルーム」格言にはカクテル一杯への思い入れが強く込められているのである。 この日のバールマンはマッティア。なにかヴェネトらしい一杯を、と頼むと「フレンチ75のヴェネト・バージョンはどうでしょう。シャンパーニュの代わりにプロセッコ、レモンジュースの代わりにNARDINIのAcua di Cedroを使っています」というではないか。いまイタリアでは全てイタリア製の原材料を使ったオール・メイド・イン・イタリアーのカクテルが大ブレイク中だが、これはメイド・イン・イタリーならぬメイド・イン・ヴェネトのカクテル。シャンパーニュよりも爽快感があり、レモンジュースのような甘さがない、辛口な一杯。ヴェネト地方伝統の立ち飲み「バーカロ」は数件はしごするのが地元の男衆の楽しみ方だが、まずは「クロークルーム」でトレヴィーゾの夜を始めるのを勧めたい。 ちなみに店の奥には230種類のジンを集めた「GINERIA ジネリア」があり、イタリアのクラフト・ジンも数多く揃えている。クラフト・ジンも現在イタリアのトレンドであり、メイド・イン・イタリーのカクテルには欠かせない必須アイテムでもある。 Cloakroom クロークローム www.cocktaillab.it Piazza Monte Pieta, 4 Treviso 営業時間 18:00〜翌2:00 Tel+39-0422-579972SAPORITAをもっと見る
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