意欲的に取り組む新進ワイナリー、コッレフリージオ
キエティ内陸部、フリーザにある「コッレフリージオ Collefrisio」は2004年創業の若いワイナリーだ。ともにブドウ栽培農家の三代目同士であるアメデオ・デ・ルカ  Amedeo De Lucaとアントニオ・パルティチェッリ Antonio Patricelliの二人がタッグを組んで「小規模のワイナリーにしかできないことをしよう」と意欲的なチャレンジを開始。顧客ごとのリクエストにあわせエチケットやパッケージングを変えるなど、ス・ミズーラのワイン作りは小規模ワイナリーならではの柔軟さだ。また、フリーザはアドリア海に比較的近いエリアだけに夏の日中は非常に暑い一方、夜になると山岳部からの冷涼な空気が入り込ことから気温差が激しいことがブドウの生育には非常に有利であり、果実に豊穣のアロマをもたらす。また、夜間の気温が低いことが9月から10月にかけてブドウの完熟を穏やかにし、モンテプルチアーノ・ダブルッツォに必要な遅積みVendemmia tardivaを可能にするのだ。 現在「コッレフリージオ」は3ケ所に合計35haのブドウ畑を所有しているが、土壌はいずれも粘土質と石灰岩のミックス。Tenuta Valle del Moro(12ha)とTenuta Morrecine(12ha)の畑にはそれぞれモンテプルチアーノとトレッビアーノが。Tenuta Giuliano Teatino(11ha)の畑ではモンテプルチアーノとペコリーノが植えられている。 輸出担当のアンドレア・ビアンコ Andrea Biancoとともに試飲したのはPecorino Terre di Chieti IGT 緑茶や白桃の香りを持つ芳醇な白。Montepulciano d’Abruzzo DOC “Filarè” ダークチェリー、軽いスパイスの香り、バランスがよく飲みやすい赤。Montepulciano d’Abruzzo DOC “Collefrisio”はザクロ、カカオ、マラスキーノなどのニュアンスを持つ骨格がしっかりとした重厚な赤。Montepulciano d’Abruzzo DOC “In & Out”は中国を意識し、エチケットで泳ぐ鯉のレリーフが特徴的。3Dを駆使して作ったエチケットはフランスのメーカーから模倣されたこともある。24ケ月バリック熟成のあと10ケ月瓶内熟成。スパイシーかつ滑らかなタンニンが特徴的な「コッレフリージオ」のフラッグシップワインだ。 www.collefrisio.it

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