日本酒をカジュアルに楽しむ講座 That’s Sake
ロンドンに本部があるワインやリカーについての国際的な教育機関Wine&Spirits Education Trust(WSET)で唎酒師の資格を取得し、「フィレンツェ・サケ」を立ち上げて日本酒の輸入と酒講座を運営するジョヴァンニ・バルディーニ。彼の活動については以前にもSAPORITAで紹介しているが、これまでは主に、ソムリエや飲食業界のプロフェッショナルを相手に活動してきた。だが、プロだけが知識を増やしても一般の人の関心を呼ばなければ広がらないというわけで、2020年からはもっと一般の人に日本酒を楽しんでもらうべく、新たなプロジェクトを開始した。その一つが「That’s Sake」、カジュアルに酒と親しむテイスティング体験だ。フィレンツェの和食店やモダン・チャイニーズの店、カクテル&フード・バーで、1時間ほどかけて日本酒についての基礎的なレクチャーと2〜3種類の日本酒をテイスティングする。参加料は€10と手頃な値段に設定し、若い世代にも気軽にアプローチできるようにしている。 去る2月19日に開かれた第一回では、参加者14人のうち、女性が11名を占め、ジョヴァンニ曰く「男性よりも女性の方が新しいものへの好奇心が強いというイメージがあったが、それが証明されたと思う」が、和食を好む層が日本酒に関心を寄せていることが浮き彫りになったとも言えるだろう。今後の「That’s Sake」はひとまず5月までのプログラムが決まっている。また、秋からは一般人対象の基本講座(サケ・スクール)を開始する予定で、そこでは日本酒だけでなく和食についてのさまざまな知識も絡めて学べるようにするという。 日本酒の世界の幅広さ、奥の深さに魅せられたジョヴァンニが輸入する日本酒は、イタリアの一般の和食店で提供される酒とは異なり、小規模生産で個性的な酒造りを実践する蔵元のものばかりで、日本人にも馴染みのないものが多い。ましてやイタリア人にとってはほぼ未知の新しい味の世界である。日本酒といえば燗酒、食後酒というイメージの強いイタリアで、「フィレンツェ・サケ」の活動によって日本酒への姿勢がどう変わっていくか、今後も注目していく。

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