イタリアのフードイベント延期情報
現在のイタリアにおける新型コロナ・ウイルス感染状況はここでいうまでもなく悪化の一途を辿っている。ミラノ含むロンバルディア州、ヴェネツィア含むヴェネト州の一部封鎖のあとも感染者は増える一方でコンテ首相はイタリア全土における移動禁止令を発令した。また日本から北イタリアへの入出国もさらに厳しくなることが予想される。そんな状況を鑑み、メイド・イン・イタリーの食を世界に発表する場でもある見本市=フィエラや国際会議=コングレッソは次々に延期となっている。イデンティタ・ゴローゼやテイストはいち早く「中止ではなく延期」と新規日程をすぐに打ち出し、コロナ・ウイルスに負けない姿勢を示したが状況はまだまだ予断を許さない。そこで現在におけるイタリアの重要な食品見本市の順延情報を以下にまとめてみた。イタリア関係諸機関は5月から一連の活動の再開、夏以降の本格的な巻き返しを画策していると思われるが2020年3月10日段階では、まだそうした発言をすることもできない状況だ。Identità Golose(MILANO) イデンティタ・ゴローゼ(ミラノ)
2020年3月7日〜9日 → 2020年7月3日〜5日
第16回を迎えるイタリアで最も重要なカストロノミー・イベントは早々に延期を決定。ジャーナリスト、パオロ・マルキが中心となり、マッシモ・ボットゥーラやカルロ・クラッコらイタリアのトップシェフはじめ世界中から毎年トップシェフを招聘、現代イタリア料理の地位とレベルの向上を目的としている。延期された7月には、イタリアのレストラン業界を取り巻く状況について、参加者全員が注目、なにかしらの生命が発表されるはずだ。www.identitagolose.it
Taste(FIRENZE) テイスト(フィレンツェ)
2020年3月7日〜9日 → 2020年6月5日〜7日
メンズ・ファッション見本市ピッティ・イマジネが運営する食の見本市。会場となるスタツィオーネ・レオポルダには毎年多くの生産者がブース出展し、来場者は全て無料で試食、試飲できる稀有なイベント。会場内は常に多くの人々でひしめきあい、しかも食品を試食させるという趣旨からすれば現状延期はやむをえないところ。www.pittimmagine.com/corporate/fairs
Vinitaly(VERONA) ヴィニタリー(ヴェローナ)
2020年4月19日〜22日 → 2020年6月14日〜17日
イタリア最大のワイン見本市ヴィニタリーは今年で第54回目の開催。毎年4月に開催され、イタリア・ワイン界はヴィニタリーを中心にカレンダーが決まるだけに延期となるとその影響も大きい。ヴィニタルイーに先立ち、毎年2月に開催されるドイツを代表するワイン見本市Prowein プロワインが早々に延期を決定しただけに、ヴィニタリー延期もまことしやかに噂れていた。vinitaly.com
Cibus(PARMA)
2020年5月11日〜14日 → 2020年9月1日〜4日
イタリア最大の食の見本市チブスは、毎年5月に行われるだけに他のイベントと比べると状況を見守る時間的余裕があったためか、延期するかどうかなかなか発表されなかったがついに延期が決定した。会場となるパルマ市はプロシュットやパルミジャーノ・レッジャーノなどイタリアを代表する多くの食材を生産するが、感染者が多いエミリア・ロマーニャ州だけに今後の推移が注目される。www.cibus.it
Gourmandia(TREVISO) グルマンディア(トレヴィーゾ)
2020年4月25日〜27日 → 2020年9月12日〜14日
ジャーナリスト、ダヴィデ・パオリーニ(写真中央)が主導するグルメ・イベント。イデンティタ・ゴローゼに比べるとまだまだ規模は小さいが、トップ・ガストロノミーだけでなく小規模生産者やワインにもスポットをあてるパオリーニらしいセレクトが光る。現在感染な深刻なヴェネト州だけに市日も早い体制の立て直しが求められる。www.gourmandia.gastronauta.it
フローレンス・カクテル・ウイーク(フィレンツェ)
Florence Cocktail Week(FIRENZE)
2020年5月4日〜10日 → 2020年9月12日〜14日
ここ数年日本のGW期間に開催され、イタリアにおけるミクソロジー・イベントの先駆けとなっていたフローレンス・カクテル・ウイークも現在延期を検討中。これは会場に多くの人々が詰めかけるイベントではなく、市内多数のバー、バール、ホテルが参加して行う、一般来場者対象のイベントだけに、一般客が参加できないような状況ならば開催は難しい。新日程の発表が望まれる。www.facebook.com/florencecocktailweek
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