イタリアワイン予報2020 その2Friuli Venezia Giulia, Trentino Alto Adige

Friuli-Venezia Giulia

「収穫量において、2020年は特筆すべき年とはならないだろう。」というのはFriuli Venezia Giulia DOC協会会長ジュゼッペ・クロヴァート Giuseppe Crovatoだ。クロヴァート会長はCantina Cabertオーナーでもある。協会としてはピノ・グリージョの収量のみ2020年は1haあたり14トンから13トンに変更。残りの10トン分はストックに回される予定だ。DOC全体では3440haの作付面積を誇り、2019年の収穫量は3万6000トンだった。 「2020年はメルローは2019年の収穫量に大きく近づくか、あるいは多少ながらも上回るかもしれない。グレーラは蕾が少なかったので生産量は明らかに昨年よりも落ちるだろう。ピノ・グリージョは2019年に比べると若干少ないかもしれない。4月の雨によって乾季は中断され、6月は気温も低く雨量も多かった。それにもかかわらず、ブドウの健康状態はなかなかよい。いまうどんこ病、灰色カビ病、国腐病はごくわずかで、今懸念されているのはブドウ病と、葉の生育に影響をおよぼすベト病で、発見されるのは大抵ビオ栽培のケースです。気象的には収穫は例年よりも7日から10日早まるでしょう。」

Trentino-Alto Adige

Consorzio Vini del Trentino トレンティーノ・ワイン協会代表Graziano Molon グラツィアーノ・モロンによればブドウの生育状態はよいが、州が定めるはずになっている収穫制限の可能性について語っている。同協会は1万ha以上を保護している。 「今年は例年よりも12〜14日成長が早い。ベト病の発生が心配されましたが、予防が功を奏して大事には至りませんでした。ウドンコ病も多少見受けられました。生産量に関していえばピノ・グリージョとピノ・ネロは2019年とほぼ同じか若干少ないくらいです。シャルドネと黒ブドウ品種は去年よりも10〜15%ほど収量は多くなるはずでsy。トレンティーノで栽培されているのは1位ピノ・グリージョ34%、2位シャルドネ26%、3位ミュラー・トゥルガウ10%です。2019年の収穫量は110万キンタル(11万トン)で2018年に比べると-16.6%でしたが、これは2018年が非常に豊作だったためです。」 一方アルト・アディジェについてはConsorzio Vini del Alto Adige アルト・アディジェ・ワイン協会会長Max Niedermayr マックス・ニーダーマイエルがこう語っている。 「2019年の収穫量は5万トンでしたが2020年は4万5000トンに減少しそうです。というのもよく知られているように、アルト・アディジェ・ワイン協会は5400haの栽培地域がありますが、収穫したブドウの15〜30%は使用しないのです。今年は4月はとても暑く、雨も降らなかったので発芽が早まりました。開花も早く、暑い地域では果実も非常に硬くコンパクトです。一方丘陵部では果実はさほど固くはありません。その後5月20日から6月一杯、7月上旬まで雨が多く降り、ブドウの木に活力を与えてくれました。なのでいま果実は大きく固く、収穫量も増えることが予想されるのです。でもそれはわたしたちが望むところではありません。生産量を抑えることこそが、クオリティを高める唯一の方法なのです。例年より10日ほど早く、9月上旬には収穫が始まるでしょう。われわれ南チロル人にとってなによりも知りたいのはドイツからの観光客がどうなるかです。いまはとても落ち込んでいます。8月はもちろんのこと、冬場も大事です。なぜならワインの消費が夏よりも増えるからです。」

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