ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021 オンライン発表
10月6日、ミシュランガイド京都・大阪+岡山2021の発表会が行われた。Withコロナゆえのオンライン。出向く手間が省けるのはいいけれど、主に質疑応答で生じる微妙なズレがもどかしい。ともあれ、重要なのは2021年版での京都・大阪に大きな変化があったかどうか。 まず京都三つ星では、昨年の8軒から7軒に。大阪三つ星は前年と同じ顔ぶれの3軒。京都二つ星は昨年の21軒から19軒に、大阪二つ星は昨年の16軒から12軒に、それぞれ減少した。二つ星以上で新規掲載店はない。一方、一つ星及びビブグルマンでは新規が増えている。京都一つ星の新規掲載は13軒、大阪新規一つ星は7軒、ビブグルマンの京都新規は22軒、大阪新規は23軒と“好調”だ。イタリア料理での動きは、京都の「TAKAYAMA」が一つ星となり、京都では「Vena」、「Bini」と合わせて計3軒が京都イタリア料理の星評価を得ている。ちなみに、イノベーティブ料理にカテゴライズされている「CAINOYA」は元はイノベーティブイタリアンとして鹿児島にあったが、京都に移転してイタリアの枠も外し、独自路線を行く。対して、大阪では「La Lucciola」が新規に加わり、「Il Centrino」、「P Greco」、「La Casa Tom Criosa」と合わせて計4軒が一つ星の評価を受けた。 今回、星以外の新たなトピックスは、持続可能なガストロノミーを実践する店の評価を新たに加えたこと。サステイナブルな取り組みを実践する革新的な施設をグリーンスターとし、また、グリーンスターに向かってポジティブなアクションを行なっている施設をポジティブステップとしている。京都のグリーンスターは、「高台寺 和久傳」、「室町 和久傳」、「草喰 なかひがし」、「丹」、「美山荘」の5軒、大阪のグリーンスターは「柏屋」と「寺田」の2軒。グリーンスターに評価された例として、無農薬で穀物や野菜の自家栽培を行なっていたり、フードロスの削減、フードマイレージの軽減、環境保全などに積極的に取り組んでいることなどが挙げられている。 コロナ禍で、飲食店業界はかつてない打撃を受け、それがいつまで続くか誰にも予想できないのが問題を深刻にしている。と同時に、サステイナブルを意識することは、今後、飲食店(ホテルも含めて)にとってますます重要なファクターとなることは間違いない。どちらも重い負担だが、それをバネとして進んでいこうとする料理店に、レストランガイドが光を当てる、そんな相互関係がこれからは重要になってくるだろう。 京都三つ星評価店 「一子相伝 なかむら」「祇園さゝ木」「菊乃井 本店」「吉兆 嵐山本店」「瓢亭」「前田」「未在」   京都二つ星評価店 「緒方」「おたぎ」「御料理 光安」「割烹 千ひろ」「祇園 大渡」「祇園 にしかわ」「祇園 又吉」「祇園 丸山」「菊乃井 露庵」「京懐石 吉泉」「京天神 野口」「建仁寺 祇園 丸山」「高台寺 和久傳」「新門前 米村」「炭火割烹 いふき」「草喰 なかひがし」「美山荘」「有職料理 萬亀楼」「和ごころ泉」   大阪三つ星評価店 「柏屋」「太庵」「HAJIME」   大阪二つ星評価店 「青木」「一汁二菜 うえの 箕面店」「カハラ」「喜太八」「狐柳」「旬菜天 つちや」「鮨 原正」「寿し芳」「Fujiya 1935」「本湖月」「宮本」「ラ・シーム」        

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