モダン香港料理がフィレンツェに上陸 リストランテ「エレメント」
世界の料理が国境を越えてやってくる。もはやこの流れは止められない。食では頑なにコンサバティブを貫いてきたイタリアにも随分と異国料理が入ってきている。しかし、フィレンツェ料理やトスカーナ料理以外のものを食べた時に必ず「まぁまぁ美味しい、けれど」と感想に必ず否定のニュアンスを忘れないフィレンツェ人が相手となると、そう簡単に外国の料理は受け入れてもらえない。特にコンテンポラリーとか、最先端と言われるものはイタリア料理ですら難しい。だから、フィレンツェにモダン香港料理のレストランがオープンし、それが結構評判だと聞いて、ちょっと驚いた。少しずつだが変わってきているのだ、超コンサバ・フィレンツェも。
前面がガラス張りの一見するとカフェのような外観で、ここに以前はランドマーク的な真っ赤な門構えのいかにもな中国料理店(しかもツーリスティック)があったと知り、変われば変わるものだと感心する。店内は中央にロの字のカウンター、その周りにテーブル席が配され、全体的にきらびやかなインテリア。バーロカーレのような雰囲気である。点心は、盛り合わせ5種18ユーロ、小籠包3個8ユーロ、黒トリュフとエビの蒸し餃子3個15ユーロ、フォアグラ焼売3個12ユーロ。その他、豚のロースト16ユーロ、家鴨胸肉と鴨の肝のフォアグラ仕立ていちじくソース28ユーロ、香港風叉焼飯16ユーロなど、値段はやや高めだが、一般的なイタリア料理店とほぼ同じである。外食を楽しもうという気分に適う雰囲気と価格、そして何よりも現地香港と遜色ない中国料理が期待できる店の先駆けとして定着していくだろう。
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