鈴木弥平シェフのパネットーネ実践マスタークラス、オンラインセミナー開催
数あるイタリア菓子の中でも最も難しいと言われるパネットーネ。市販のイーストを使わず、小麦粉と水、あるいはレーズンなどの果物を使って酵母を起こし、1ヶ月かけて発酵種を育てる必要がある上、バターや砂糖をたっぷり使うため、その発酵種は強靭なグルテン網を形成できる力を持っていなければならない。混ぜ込むフルーツはレーズン、オレンジピール、シトロンピールが基本だが、そのほかのフルーツ、ナッツ、チョコレートなどを使う場合は、生地を最適な状態に持っていくための調整が必要となる。経験が何よりも物を言う世界なのである。 90年代初めにパネットーネの魅力の虜となった「ピアットスズキ」の鈴木弥平シェフは、イタリア菓子界の巨匠イジニオ・マッサーリ氏の講習会で学んだことを土台に試行錯誤を重ね、気がつけば27年。2019年にはイタリア現地で開催された5つのパネットーネ・コンテストに出品し、全てでファイナリストとなるという快挙を成し遂げた。鈴木シェフのパネットーネは伝統を守りつつも現代的に進化したタイプで、爽やかな乳酸の香りと、引っ張ると繊維が薄片のように剥がれる生地が特徴。イノヴェイティブと呼ばれるバター感を前面に押し出した柔らかく口中でとろけるようなスタイルではなく、噛むと弾力を感じながらもすぐに解けて消えていく口どけの良さが印象的である。 このほど、パネットーネの楽しみを広げることを目的とする団体「パネットーネ・ソサエティ」では、同団体のマエストロ・アドバイザリーでもある鈴木シェフによる実践マスタークラスのオンライン開催を企画。5月20日夜と21日午前の二回、それぞれ1時間程度をかけて実際の作業を行いながら鈴木シェフが解説、参加者の質問に答えるセミナーである。 まず、酵母の起こし方と発酵種のリフレッシュメントについて、そのプロセス画像を使いながら説明。そして準備生地(プレインパスト)を実際にミキシングしながら、材料の混ぜ込みの各ポイントを解説していく。ここまでが初日の夜の部。翌朝は一晩発酵させたプレインパストにさらに材料を加えながらミキシングを行ってセコンドインパストを完成させるところまで。その後の発酵と成型のポイントについては口頭で補足説明をする、というのがおおよそのセミナー内容である。焼成は成型発酵を終えた夕方以降で、焼きあがった後は逆さに吊るして一晩ゆっくりと冷ますことになるが、それについても口頭での説明、質問への回答となる。パネットーネをすでに手がけている人にも、これから取り組もうと思っている人、シンプルにどうやって作るのかを知りたい人にも役立つセミナーだ。また、参加者は後日、期間限定でセミナー録画を何度でも見返すことができる予定。申し込みは、パネットーネ・ソサエティのHPから。 日時:2021年5月20日(木)21時30分〜及び21日(金)10時30分〜 (どちらも1時間程度を予定) 形式:zoomオンラインミーティング 参加料金:6600円(税込) セミナー内容 1日目 ・レーズンを使った酵母菌の培養 ・リエヴィト・マードレの育成 ・リエヴィト・マードレを使った準備生地作り(プレインパスト) 2日目 ・本生地作り(セコンドインパスト) ・発酵と成型(ピルラトゥーラ)        

SAPORITAをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。