2021世界ベストレストラン50 イタリア勢の動向は?
先日ベルギーのアントワープで、2021年度版世界ベストレストラン50の発表会が行われた。昨年はコロナ禍の真っ只中で華やかなセレモニーは行われず、ランキング発表含め全て中止となったこともまだ記憶に新しい。しかし現在のヨーロッパではワクチン接種とグリーンパス導入が進んだことが大きく、2年ぶりのアワードは多くのシェフや関係者を集めてリアルに行われた。その結果は、というとすでに多くのメディアが「ノーマ」レネ・レゼピの世界一返り咲きというニュースを報じているのでここではイタリア勢の動向に注目したい。 2021年度世界ベストレストラン50にランクインしたのは以下のイタリア料理店。50以内にランクインした4軒は全てが前回の2019年よりもランクアップ。50〜100位内には4軒(イタリア3軒、日本1軒)ランクインおり、こちらも全てがランクアップしている。ちなみにマッシモ・ボットゥーラ Massimo Bottura率いる「オステリア・フランチェスカーナ Osteria Francescana」は過去に世界一を獲得したBest of Best=殿堂入りしており今年もランキング対象外だ。 No.15 Lido 84 リド・オッタンタクアットロ   (2019 No.78) No.18 Piazza Duomo ピアッツァ・ドゥオモ  (2019 No.29, 2018 No.18) No.26 Le Calandre  レ・カランドレ (2019 No.31, 2018 No.23) No.29 Reale   レアーレ(2019 No.51) 50位〜100位 No.52 Uliassi  ウリアッシ (2019 No.61) No.54 St Ubertus   ウベルトゥス(2019 No.116) No.73 Il Ristorante Luca Fantin  イル・リストランテ・ルカ・ファンティン (2019 No.107) イタリア最高位はリッカルド・カマニーニの「リド・オッタンタクアットロ」で、初の50位以内ランクインともに初登場最高位レストランに授与される「ハイエスト・ニュー・エントリー Highest New Entry」も受賞した。カマニーニというと、2018年度の再注目シェフ賞に相当する「ワン・トゥ・ウオッチ One To Watch」賞を受賞。2021年OADレストランランキングでも世界第5位と2年続けてイタリア最上位にランクイン。国内での評価ももちろん高いが、イタリア国外ではひときわ高く評価されている。ミシュランの星が全てというわけではないが、2021年現在ミシュラン1つ星の「リド・オッタンタクアットロ」以下にランクインしているイタリアの5軒は全てミシュラン3つ星なのだ。 ちなみにミシュラン3つ星を元にランキングを考察してみると、いわゆるイタリアにおけるグラン・メゾンに相当する「ダル・ペスカトーレ Dal Pescatore」「エノテカ・ピンキオーリ Enoteca Pinchiorri」「ラ・ペルゴラ La Pergola」といった名門は今年もランキングしていない。これまでの功績を考えるなら、OADランキング同様に「クラシック部門」があれば殿堂入りに相当するだろう。そう考えるとマッシモ・ボットゥーラはじめ、マッシミリアーノ・アライモ、エンリコ・クリッパは常にイタリアのトップを走り続けているわけで、あらためてそのクリエイティビティに敬意を表したい。 www.theworlds50best.com/list/1-50  

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