アマン東京アルヴァの現在進行形
大手町「アマン東京」のメインダイニング「アルヴァ」は平木正和エグゼクティブ・シェフがリードするイタリア料理店だ。ラグジュアリー・ホテルにありながらも、平木シェフが追求するのはつねに食材のよさを前面に出したシンプルな料理。時には野菜がそのまま登場したりすることもあるほど、旬と鮮度を意識しているファイン・ダイニングだ。一口に旬の食材、、季節感とは言っても、実のところ世界には四季も旬の食材もない国の方が圧倒的に多いのだ。そういう意味で食材に恵まれている日本とイタリアには料理における共通点が非常に多い。ヴェネツィアの名門ホテル「バウアー」でエグゼクティブ・シェフを勤めた経験も持つ平木シェフだけにそうした共通項への理解は人一倍深い。そんな平木シェフの最新料理をいただきに過日「アルヴァ」を訪れた。この日はストゥッツィキーノ=アミューズからドルチェまでを含む8品からなる特別メニューだった。
STUZZICHINO 左上から一口サイズのマリトォッツォはゴルゴゾーラのクリームと洋梨のコンポート。甘味と塩味、ドルチェサラートのコントラスト。右上はキノコの滑らかなスープ仕立てでビロードのようなという意味の「ヴェッルタータ」。下は一口サイズ、スプーンでいただく揚げ物、ナポリ名物のゼッポレでマグロのカラスミのトッピング。KAMPACHI 続く冷たい前菜は、カンパチをマリネしたマリナート、蕪とハーブのインサラータ、香川県産アマン東京オリジナルキャビア。蝶はカブのピューレから作られている、野菜は富士吉田の農園産。
ANATRA AFFUMICATA 平木シェフが愛用する茨城県産かすみ鴨胸肉の燻製、アフミカートと福岡産ラディッキオ・タルディーヴォ、そして金柑、ポレンタのチップス。
RAVIOLONE ラヴィオローネ 相模原産有精卵 リコッタとほうれん草 甘エビと白トリュフ 大ぶりの手打ちパスタはラヴィオローネ、詰め物はリコッタとほうれん草で、大胆なトッピングは甘エビ、そして最後に削りたての白トリュフという組み合わせ。PUNTARELLA プンタレッラ バーニャカウダ、青森のニンニク プンタレッレとはローマを代表する冬野菜で、チコリア・カタローニャと呼ばれる野菜の新芽の部分のこと。これを薄く削いでアンチョビ、レモン、オリーブオイルで食べるのが定番だが、平木シェフはこの旬の味を楽しんでもらおうと、クラッシュアイスの上に並べてそのまま提供する。味付けはニンニク、アンチョビ、オリーブオイルで作るバーニャカウダだが、さらにイタリアの国旗に見立てた三色のソースを添える。赤=ドライトマト、白=パルミジャーノとジャガイモ、緑=ブロッコリとアンチョビ。
CODA DI PASSERA 鮫鰈のヴァポーレ 白菜と浅利 広島県産有機の塩レモン 温かい魚料理は鮫鰈をロールキャベツ風に巻いたもの。ソースは冬のボッリートミストに欠かせないソース、バニェット・ヴェルデで、これはニンニク、アンチョビ、ケイパー、アチェートに加えて卵黄、硬くなったパンなどを加えて作る。さらマスタード、イチジクのモスタルダ、ビーフコンソメで味に変化を加える。
BOLLITO DI MANZO 山梨県産甲州和牛フィレ肉のボッリート 冬野菜とコンソメ 柔らかく火を入れた和牛のフィレ肉には濃厚で味わい深いコンソメ、そしてさっと火を入れた冬野菜の歯ごたえを楽しむ。 CINGHIALE 愛媛県産猪とポルチーニ茸のラグー 牛蒡とカカオのトルティーノ もうひとつの肉料理は猪とポルチーニのラグー。付け合わせは牛蒡をカカオをフラン風に焼き上げたトルティーノ。牛蒡の香りとカカオの苦味がとてもよくあう。イノシシとカカオというのは中部イタリアによく見られる冬の味。MONTEBIANCO 和栗と洋梨のモンテビアンコ オレンジ、メープル、ヘーゼルナッツのセミフレッド
アマン東京アルヴァ 大手町タワー 千代田区大手町1-5-6 https://www.aman.com/ja-jp/hotels/aman-tokyo/dining/arva レストラン予約: Tel03 5224 3339SAPORITAをもっと見る
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