アジアのベストバー50 東京、奈良、京都から6軒がランクイン
去る2022年4月28日、バンコクにて「アジアのベストバー50」のアワードが開催され日本からはトップバー6軒がランクインした。このアワードは「世界のベストレストラン50」同様ロンドンのWilliam Reed社が主催、フランスのペリエ社がメインスポンサーとなっている。コロナ禍をはさみ、関係者が一堂に介して行われるのは実に3年ぶり。今回のリストはアジア16都市から合計50軒のバーがランクインし、14軒のニューカマーが登場している。国別の最多ランクインはシンガポールの11軒だ。 日本最高位の第5位となったのは新宿「ベンフィディック Benfiddich」で、日本ベストバーとともにレミーマルタンレジェンドオブザリストアワードを同時受賞。鹿山博康氏はこれで名実ともにアジアのバーテンダーとしてレジェンド入りを果たしたわけである。鹿山氏は自ら薬草を育て、薬草酒作りも手がけるファーマー・バーテンダー。まだ「ベンフィディック」を訪れたことがない人は、この機会に香り高く奥深い、鹿山氏のカクテルを味わいに訪れてみてはどうだろう。 20位にランクインしたのは昨年の62位から大幅にランクアップした奈良の「ランプバー Lamp Bar」。こちらはデジアジオが主催するバーテンダーの世界選手権「ワールドクラス2015」で優勝経験のある金子道人氏のバー。奈良の檜をフィーチャーした自家製ビターズ作るネグロニは極めて印象的。日本酒から作るベルモットも自家製だ。また、バーのインテリアは3つのアンティーク空間に分かれておりそれぞれが「カクテルの起源」「カクテルの旅」「飲み物のダークサイド」をモチーフとしている。 22位は渋谷の「エスジークラブ SG Club」、NYや上海で活躍した後閑信吾氏のバーだ。こちらも3つの空間に分かれており、ゆっくり味わう=Sip地下空間と気軽に飲む=Guzzle1階、そしてシガーバーでもある2階のラウンジからなる。後閑氏はプロデューサー&経営者としても卓越した才能を発揮しており「エスジークラブ SG Clubの他に11位の上海「ソーバーカンパニー Sobar Company」、50位「スピークロウ Speak Low」と自らが経営する3軒がランクインを果たしている。 25位の恵比寿「トレンチ Trench」は裏通りにあるとても小さな隠れ家バー。「塹壕」という意味の店名は、しばし息を潜めて仲間と語らい、英気を取り戻して明日の活力とする都会のリトリートだ。チーフバーテンダーのロジェリオ五十嵐ヴァズさんの優雅な佇まいにも注目だ。 41位は99位からランクアップし初登場を果たした虎ノ門「メメント・モリ Memento Mori」こちらはミクソロジスト南雲主于三氏のカカオとボタニカルをテーマとしたバーだ。 47位は京都から唯一ランクインを果たした「ビーズニーズ Bee’s Knees」過去にも3回ランクインしたことがあるこの木屋町のバーは、禁酒法時代の潜り酒場=スピークイージ=をテーマとしているのでダミーのファサードにはBook Store=書店、と書かれている。次回の京都への旅は「ビーズニーズ」探して木屋町界隈を歩いてみたくなるではないか。ちなみにアジア第一位は香港の「COA IN HONG KONG REIGNS SUPREME」で、2年連続となっている。

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