ブルガリのカクテルイベント「SYMPOSIA 2022」6月4日、5日開催
ブルガリが2019年から世界展開している注目のカクテルイベントが「SYMPOSIA シンポジア」だ。これはブルガリ銀座タワー10F「ブルガリ ギンザ・バー」(旧イル・バール)に世界的に活躍するバーテンダーをゲストとして招聘するもの。今週末の6月4日(土)、5日(日)には熊本のバー「夜香木」のバーテンダー木場進哉氏を迎えて開催される。木場氏は2021年World Class Japan Bartender of the year という輝かしい経歴の持ち主。今回の「SYMPOSIA 2022」では「熊本 to 東京」をテーマに木場氏のオリジナルカクテル5種、「ブルガリ ギンザ・バー」の川久保安寛氏によるオリジナルカクテル3種、合計8種のカクテルが味わえるのだ。イベントに先立ち、「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」ルカ・ファンティン・シェフの料理に木場氏のカクテルをペアリングするという招待客限定のスペシャルディナーが開催された。 1st Pairing “Asparagus Spritz” & “Shrimp / Asparagus” まず最初に登場したカクテルは「ブルガリ ギンザ・バー」川久保氏作の「Asparagus Spritz」これは国産白アスパラガスにワイン、牛乳、レモンを加えて「ホワイトアスパラガスワイン」を作り、スプリッツ・スタイルでソーダをあわせたもの。 一方最初の料理は「Shrimp / Asparagus」北海道産ボタンエビが、イタリア産白アスパラガスのピューレの下に隠れており、発酵レモンパウダーがアクセント。国産の白アスパラガスは甘くやわらかい味わいだが、イタリア産は野性味のある苦味が長く続くのが特徴。このカクテルと料理の組み合わせは普段からルカ・シェフと川久保氏が行なっている定番ペアリングのひとつで、イタリア産白アスパラガスのほのかな苦味とカクテルが出会うと口中でベルモットやアブサンのような味わいになるよう計算されている。 2nd Pairing “Kaminoura IPA” & “Hiramasa / Fennel” 次のカクテルは木場氏の「Kaminoura IPA」バー「夜香木」は熊本市の古い一画上乃裏に位置し、もしもビールの醸造所があったここにあったなら、という空想が出発点。「夜香木」でも最初の一杯はビール、を所望する人が多いというがカクテルバーなのでできれば最初からカクテルを飲んで欲しいという想いか生まれた一杯だ。苦味の強いカスケード・ホップをジンに一晩漬け込んだホップジン、トニックウォーター、ライムジュースを合わせた苦味が心地よいジントニック。 料理は「Hiramasa / Fennel」山口県で獲れたヒラマサを2日間寝かせてカルパッチョにし、フェンネルジュースとライムでマリネ。キャビアとともに食べると、シンプルながらもヒラマサならではの旨味が口中に広がる。この組み合わせでは、ルカ・シェフから「カクテルの量を少なめにし、苦味をおさえる」というリクエストがあった。さらに料理とグラス両方にライムピールを振りかけ、共通項として繋ぎの役割にした。 3rd Piaring “Yakoboku” & “Risotto / Squid ink” 3番目のカクテルは木場氏のバー名を関した「Yakoboku」夜香木は夜になるとジャスミンのような香りを放つことからナイトジャスミンとも呼ばれている。ジャスミンを漬け込んだジン、自家製アガペーシロップ、微発泡リンゴジュースでナイトジャスミンの香りを表現している。 これにあわせる料理は「Risotto / Squid ink」すなわちイカスミのリゾット。ヴェネト州出身のルカ・シェフといえばリゾットは定番料理、そしてアオリイカも好んで使う食材であり、イカスミのリゾットはヴェネツィアを代表する料理。アオリイカとプンタレッラは別さらに添えてある。このペアリングを考える際、ルカ・シェフは「このカクテルは香りが華やかすぎて、料理が難しい」とコメント。そこでカクテルの香りと甘さを落ち着かせることを要望し、リゾットとの調和へと至った。 4th Pairing “Phoenix Martini” & “Rigatoni / Ossobuco / Safron” 4番目のカクテルは、木場氏が世界大会に出場した際に考案した「Phoenix Martini」抜栓してから時間が経って提供できなくなったシャルドネに砂糖と未完熟のブドウジュースを加えて作った「シャルドネ・ヴェルジュ」にウォッカ、ニガヨモギ、乾燥ごぼうなどを加えて作ったビターウォッカ、アガペハニーで作った自家製ベルモットで作る、ウォッカベースの甘口マティーニ。「フェニックス」という作品名は熊本が火の国と呼ばれていることに加え、熊本地震からの復興=不死鳥になぞらえてあり、このカクテルの売上の一部を熊本城復興支援金として寄付している。 ルカ・シェフがこのカクテルにあわせたのが「Rigatoni / Ossobuco / Safron」ミラノを代表する郷土料理であるオッソブーコはサフランで炊いたリゾットと「ピアット・ウニコ」として食べることが多いが、これはリゾットの代わりにリガトーニを使用。サフラン入りのパスタ湯で茹でたリガトーニにオッソブーコソース、パルミジャーノソース、さらに骨髄をトッピング。甘みをややおさえた「フェニックス・マティーニ」とオッソブーコは好相性。 5th Pairing “Tepache Matador” & “Maiale / Matador” マタドールというカクテルは通常テキーラ、パイナップルジュース、ライムジュースで作るが、木場氏は自家製の発酵パイナップルドリンク「テパチェ」で再構築(ツイスト)。ほのかなリンゴの香りにライム酸オレンジで酸味をプラス。 メイン料理は豚肉を使った「Maiale / Matador」豚のスネ肉、軟骨、耳を、通常レシピのマタドールカクテルでマリネしてからグリル。テキーラからくるスモーキーなフレーバーはカラブリアやサルデーニャといった南イタリアを連想させる。マタドールでマリネしているだけにカクテルとのハーモニーは秀逸。 6th Pairing “Kyushu Old Fashioned” & “Tiramisu” 古いカクテル「オールドファッションド」のツイスト。これにはハゼノキ、ヒノキ、カエデという九州に自生する三種の木をフレーバーに使ってある。ハゼの香りを移したバーボン、メープルシロップを使った自家製アマーロ、そしてヒノキチップをスモークして薫香をプラス。 ルカ・シェフのドルチェといえば故郷トレヴィーゾ生まれの永世定番「Tiramisu」だ。マスカルポーネのジェラートとエスプレッソのクランブルをコーヒーソースに絡め、マスカルポーネのザバイオーネ風スプーマをトッピング。滑らかで軽く、しかし味わい深い、伝統を再構築したオリジナルのティラミス。ウイスキーが好きだというルカ・シェフがいう通り、コーヒーフレーバーと「九州オールドファッションド」の相性の良さはこれまでのベスト。ウイスキーをティラミスにあわせるという、これまでのイタリア料理の世界にはなかったリベラルな発想。 今回の料理は全てこの夜のためだけにルカ・シェフが組み立てたスペシャル料理だが、木場氏のカクテルはオリジナル・レシピのまま、6月4日(土)、5日(日)に行われる「SYMPOSIA 2022」で木場氏自らが作ってくれるというのだから、この貴重な機会を見逃す手はない。また、この一連のカクテルは2022年7月10日(日)まで「ブルガリ ギンザ・バー」で提供される。どうしてもこの両日銀座まで足を運べない、あるいはこの週末以降にも木場氏のカクテルを飲みたいというカクテルファンにはこれもまた朗報だ。 SYMPOSIA 2022 2022年6月4日(土)5日(日)18:00〜22:00 LO 中央区銀座2-7-12 ブルガリ銀座タワー10F ブルガリ ギンザ・バー 事前にカクテル4杯分のドリンクバウチャー8000円を入口にて購入。 予約と問合せ Tel: 03-6362-0510

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