全ページがダウンロード可 専門家が編んだトリュフ辞典(五カ国語)
イタリアが世界に誇る高貴なる食材トリュフ。イタリア以外の国にも生息しているが(もちろん日本にも)、白トリュフというキラーコンテンツを擁し、2021年には「イタリアのトリュフの探索と採取:知識と伝統的実践」としてユネスコの世界無形文化遺産に登録されているイタリアはやはりトリュフ王国である。ゆえに、その研究も盛んで、トリュフに関する書物も多く出ている。スローフード協会が出版した「Alla Scoperta del Tartufo(トリュフ探索へ)」はこの協会らしい産地特有の伝統や歴史、料理などを中心に語り、そのほかトリュフ採取免許の取得ガイド、トリュフ採取の実践とトリュフ犬のトレーニングについてなどプラティカルな本も多い。もちろんトリュフ料理本もある。そんな種々多様なトリュフ本が濫立しているこの分野に新たに加わったのが、CREA(Consiglio per la ricerca in agricoltura e l’analisi dell’economia agraria 農業研究及び農業経済分析評議会)から刊行されたトリュフについての辞典「Il Tartufo dizionario internazionale」だ。 同評議会の事務局長を務めるステファノ・ヴァッカーリと専門誌「Accademia del tartufo nel mondo」の編集長ジュゼッペ・クリスティーニによる共同執筆の同書は、イタリア語、英語、中国語、アラブ語、日本語で表記されているというのが特徴で、最初の2言語以外はトリュフへの関心が高い国向け、ということであろう。残念ながら、自動翻訳に頼ったようで、日本語にはかなりの難があるが、おおよその意味は取れる。何より表紙と奥付けを含めて全125Pが無料ダウンロードできるというところが太っ腹だ。内容は7章に分かれ、「トリュフと生息地(トリュフが好む植物と土壌)」「トリュフの領土(産地)」「トリュフの検索と終了(探索と採取)」「トリュフの評価」「キッチンとテーブルのトリュフ」「トリュフの神話(伝説)」「言語別語彙リスト」。※カッコ内は注釈として追加。 キノコとしてのトリュフについての学術的な辞典だが、(それに日本語は相当おかしいが)ダウンロードして手元に置いておいて損はない知識の集大成だ。SAPORITAをもっと見る
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