Trattoria Da KENZO 西沢健三シェフが考えるアイリッシュ グラスフェッドビーフの可能性

横浜にある「Trattoria Da KENZO トラットリア・ダ・ケンゾー」はフィレンツェの老舗料理店「Camillo カミッロ」などで研鑽を積んだ西沢健三シェフが腕を振うイタリア料理店だ。実際にメニューを見るとトリッパ、フェットゥンタ、フランチェジーナ、ピーチなどクラシックなトスカーナ伝統料理が並ぶ。中でも西沢シェフが今積極的に取り組んでいるのがアイルランド産グラスフェッドビーフを使ったTボーンステーキ、トスカーナ料理の花形であるビステッカだ。

ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(通称フィオレンティーナ)の聖地フィレンツェでは、近年ビステッカの世界遺産認定に向けた活動が盛んで、ビステッカをメインにしたレストランも増えている。正統とされるキアナ牛だけでなくファソーナやブラックアンガス、マルケ、時には和牛もメニューオンし、エイジング・ビステッカを出す店もある。「カミッロ」もやはりビステッカが名物だが、西沢シェフはその焼き方を踏襲。常温に戻したTボーンには塩を一切せず、炭火でじっくりと焼き上げてからカット、オリーブオイルと塩を添えて出す。「これが一番美味しい食べ方と」西沢シェフ。あわせるのはサンジョヴェーゼ種のキャンティクラッシコ、まさに王道中の王道の食べ方だ。

西沢シェフが使用する「アイルランド産 放牧牛ヘアフォード種」は大自然の中で放牧され、牧草を食べて育ったアイリッシュ グラスフェッドビーフ。「Chefs’ Irish Beef Club Japan」のメンバーでもある西沢シェフは実際にアイルランドにも足を運び、現地を視察してそのクオリティの高さを目の当たりにしてきた。西沢シェフはこのグラスフェッドビーフをブロックのまま仕入れ、注文のたびにカットしてから焼き上げる。ビステッカの注文は通常キロ単位になるが、これは肋骨に沿って包丁を入れるためで、今回のビステッカは厚さ5センチはあろうかという塊肉で。Tボーンを境にサーロイン(コントロフィレット)とフィレの2種類を同時に味わえる。まずはなにもつけずサーロンにナイフを入れ、そのまま味わう。うっすらと塩味が効いたプレサレの赤身肉はアイルランドの海辺の牧草地帯を想像させ、上品な繊維と若いフレッシュな味わいが印象的。一方フィレはより繊維も柔らかく滋味にあふれており、トスカーナ産EVOオイルとマルドンの塩で食べると、旨味の相乗効果でえもいわれぬ至福の味わいとなる。

西沢シェフは魚介にも力を入れておりこの日の「前菜の盛り合わせ」にはツブ貝、ニシン、メカジキ、カツオ、タコといった魚介類にプンタレッレ、ルーコラなどのイタリア野菜の組み合わせ。ビステッカへの前奏曲としては理想的なスタートで肉を食べたい欲望がむらむらと湧き上がる。ビステッカを堪能したあと、まだ余裕があれば「天然猪のラグー・ピーチ 黒トリュフ添え」を。これは千葉県産の罠で採れたメス猪を煮込んだソースで肉質はとても柔らかく、たっぷりのパルミジャーノと黒トリュフは寒い日に食べたくなる締めパスタだ。

イタリアでもビステッカを食べる時はまず逆算してメニューを考え、前菜は軽く、パスタは飛ばしてビステッカという組み立てが一般的。そのほうがビステッカをぞんぶんに味わえるからだ。とはいえパスタもドルチェも食べたい、という健啖家の方はまず西沢シェフに相談しておまかせでメニューを組み立ててもらうのがいいかもしれない。焼きたてのビステッカがテーブルに運ばれてきた時、イタリアのトラットリアのように期待に満ちた歓声が上がるのは間違いないだろう。

●開催期間:2024年11月18日(月)〜12月19日(木)
●キャンペーンサイト:https://irishfood.jp/cibcjapan/
●参加店:「Trattoria Da KENZO」「ザ・モメンタム・バイ・ポルシェ」「リストランテ・ラ・ビスボッチャ」
●予約方法:各店舗へ直接電話またはWEBサイト経由
●参加店舗でのメニューを食べた方、抽選20名に賞品プレゼントあり。詳細は各参加店舗にて確認。

Trattoria Da KENZO

「アイルランド産 放牧牛ヘアフォード種のビステッカ(Tボーン)」1kg / 24,000円
住所:神奈川県横浜市中区相生町5-78 清栄ビル馬車道3F
営業時間:11:30〜15:00、17:30〜23:00(月曜休)
電話:045-298-3737

ザ・モメンタム・バイ・ポルシェ

「アイリッシュ グラスフェッドビーフ 骨付きリブロースのルスティンネッガ」
アラカルト1kg〜、22,000円〜、コース2名〜、1名料金プラス8,800円(サービス料別)
住所:東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター 1F
営業時間:11:30〜15:00、18:00〜22:30(月曜定休)
電話:03-6280-6785
URL:https://porsche.tokyo/

リストランテ・ラ・ビスボッチャ

「アイルランド・ビーフ Tボーンの炭火焼き」3,200円 / 100g〜
「アイルランド・ラム 骨付きロースの炭火焼き」4,800円 / 2ピース〜
住所:東京都渋谷区恵比寿2-36-13 広尾 MTRビル1F
営業時間:17:30〜23:00(日曜休)
電話:03-3449-1470
URL:https://labisboccia.tokyo/ja/

Suckler herd at Tinahely, Co. Wicklow.

「アイリッシュ グラスフェッドビーフ&ラム」はアイルランドの豊かな自然環境でが育むビタミンやミネラル豊富な牧草で育てられた(グラスフェッド)牛と羊のこと。小規模農家が年間220日以上に渡って放牧し、抗生物質やホルモン剤も不使用、食の安全も配慮されている。今年で4年連続となるキャンペーンはアイルランド政府食糧庁 Bord Biaが主催、「アイリッシュ グラスフェッドビーフ&ラム」のクオリティの高さをシェフを通じて発信している。

公式サイト:https://irishfood.jp


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