シャングリ・ラ 東京x農口尚彦研究所によるオリジナル日本酒が誕生






「シャングリ・ラ 東京」と「農口尚彦研究所」がコラボレーションしたオリジナル日本酒の販売が2025年3月14日「シャングリ・ラ 東京」内「なだ万」と「ザ・ロビーラウンジ」で開始された。石川県小松の酒蔵「農口尚彦研究所」がラグジュアリーホテルと提携するのは初めての取り組みであり、このプロジェクトは「シャングリ・ラ 東京」のスタッフが農口尚彦研究所の日本酒に感銘を受けたことから始まった。食事と共に楽しめる日本酒をコンセプトに、杜氏の農口尚彦氏とホテルスタッフが試飲を重ね、特別なブレンドを完成させ、今回のオリジナル日本酒が誕生したのである。2025年3月12日、農口尚彦氏出席のもと「シャングリ・ラ 東京」内「なだ万」にてそのお披露目会が開催され、特別に今回のオリジナル日本酒と「なだ万」の料理を味わうことができた。
農口尚彦氏は「現代の名工」にも選ばれた伝説的な杜氏だ。1932年に石川県で生まれ、今や「酒造りの神様」とも称される農口氏の技術と哲学は、多くの酒造家に影響を与えているほどだ。農口氏が特にこだわっているのが「山廃仕込み」という伝統的な製法。山廃仕込みとは、自然の力を最大限に活用し、乳酸菌の働きを利用して酒母を育てる手法です。山廃では蔵の環境に存在する天然の乳酸菌や酵母の活動を促進し、ゆっくりと時間をかけて酒母を育てるため、山廃仕込みの酒は深みのある味わいや力強い酸味、長い余韻を持つことが特徴だ。
農口氏は「酒は生き物であり、造るのではなく育てるもの」と語り、自然の力を最大限に活かして発酵の流れを丁寧に見極めることが、良い酒を生むとこの夜も闊達に話してくれたのだった。今回のオリジナル日本酒は、2020年、2021年ヴィンテージの日本酒3種類「山廃 大吟醸 2020(40%)、山廃 純米大吟醸 2020(30%)、山廃 大吟醸 2021(30%)」を独自にブレンドして作られた。
実際に味わってみると、吟醸香は華美すぎず、ドライな口当たり。何よりも山廃からくる出汁のような複雑な旨味が日本ワインを連想させる。ラベルには、シャングリ・ラ 東京の公式ロゴと、ホテル名の由来となった「失われた地平線」の舞台であるシャングリ・ラの伝説的な風景が描かれている。これは究極の酒を通じて理想の桃源郷へと至る道程を暗示しているようであり、農口氏の酒を味わっているとついつい夢見心地になり心地よい理想郷へと誘われてゆくのだ。
現在このオリジナル日本酒が味わえるのは「シャングリ・ラ 東京」内の「なだ万」と「ザ・ロビーラウンジ」のみだが、今後全客室のミニバーにも375mlの二合瓶を設置し、ゲストが自由に楽しめるようにする計画もあるというから楽しみだ。さらに2026年にオープン予定のシャングリ・ラ 京都や他の海外拠点でも、このオリジナル日本酒の提供が検討されているという。日本から世界へ、農口氏と「シャングリ・ラ 東京」のオリジナル日本酒は、世界中の人々をこれからも桃源郷へと誘ってくれるはずだ。

農口尚彦氏
1932年、石川県能登町生まれ。16歳で酒造りを始め、27歳で「菊姫」の杜氏に就任。能登杜氏四天王の一人として知られ、吟醸酒の普及や山廃仕込みの復活に貢献した。全国新酒鑑評会で連続12回、通算27回の金賞を受賞するなど、70年以上にわたる酒造りの歴史を持つ。2017年に「農口尚彦研究所」を設立し、匠の技術と精神を次世代に伝えている。
提供概要
期間:2025年3月14日~
提供場所:「なだ万」(29階)、「ザ・ロビーラウンジ」(28階)
料金:四合瓶(750ml)23,100円(税込)、一合(180ml)5,775円(税込)、館内提供のみ。販売なし。
シャングリ・ラ 東京は、日本初のシャングリ・ラブランドホテルとして2009年に開業し、フォーブス・トラベルガイドのホテル部門で6年連続5つ星を獲得している。今後も日本酒を通じて、日本文化の魅力を国内外のゲストに発信していく予定である。
https://www.shangri-la.com/jp/tokyo/shangrila
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