金沢に佇む一棟貸しの瀟洒な宿 HOTEL 101 KANAZAWA

マッテオ・アルベルティのレストラン「オリゴ」があるのは築130年の民家をフルリノベーションした複合施設だが、施設内には1棟貸しの「Hotel 101 KANAZAWA(ホテル・チェントウーノ・カナザワ)」と「アンゴロ・カフェ」もある。ネーミングからわかるように、古都金沢にありながらもイタリア色豊かな空間で「金沢の中のイタリア」が味わえるのだ。今回滞在した「Hotel 101 KANAZAWA」は2020年のオープンした1棟貸しの宿で、専用の玄関から入ると右手に浴室が、そして正面の階段を上ると2階にリビングと寝室がある。明治時代の建築様式はディテールに至るまでが美しく、魚網業で財を成した金沢商人の当時の豊かな暮らしがうかがえる。リビングルームは和の空間にイタリアモダンの家具を組み合わせたフローリングの空間。専用のマシンで淹れたエスプレッソを飲みつつ、ソファでくつろぎながらNetflixを見ることもできる。

一方寝室はというと照明を落とした空間に、金沢町家ならではのベンガラ色の床の間が映え、実に趣がある。また眼下にはよく手入れされた中庭が見下ろせ、夜ともなれば一層雰囲気を増し、金沢ならではの夜が満喫できる。ライトアップされた中庭を見ながらのバスタイムはこれもまた格別のひとときだった。

翌朝は1階にある「アンゴロ・カフェ」で朝食。こちらでは「Hotel 101 KANAZAWA」アンゴロ・カフェ」オーナーの能崎涼子さん自らが淹れてくれるエスプレッソやカプチーノを味わうことができる。能崎さんはフィレンツェで長年暮らして故郷である金沢に「Hotel 101 KANAZAWA」「アンゴロ・カフェ」をオープン、今では名機マルゾッコを使いこなすバリスタでもある。能崎さんはイタリア語も堪能なのでイタリア人の宿泊客も多いという。この日能崎さんが慣れた手つきで淹れてくれたのはラテアートが美しい、カプチーノ。スクランブルエッグに、ソーセージのグリル、新鮮な金沢野菜のサラダと焼きたてクロワッサンで始める金沢の朝はまた格別。「アンゴロ・カフェ」は宿泊客だけでなく一般客の利用も可能なので金沢滞在の際、エスプレッソを飲みに立ち寄ることもできる。金沢に見つけたイタリア的空間は、「オリゴ」とともにイタリア料理愛好家ならば是非一度訪れて、金沢的なおもてなしの心を体験したい。


Hotel 101 KANAZAWA
https://www.hotel101kanazawa.com/

Angolo Caffe
https://angolocaffe.jp/


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