イタリア菓子伝07 リッチャレッリ
シエナは、トスカーナにおけるフィレンツェの永遠のライバルである。ルネサンス以前より栄え、街並みにはその繁栄の名残がしっかりと見て取れる。歴史や伝統にこだわるところはフィレンツェに負けない。ただ、明るく華やかというよりは、厳かで重厚。菓子も見た目よりも… 続きを読む
シエナは、トスカーナにおけるフィレンツェの永遠のライバルである。ルネサンス以前より栄え、街並みにはその繁栄の名残がしっかりと見て取れる。歴史や伝統にこだわるところはフィレンツェに負けない。ただ、明るく華やかというよりは、厳かで重厚。菓子も見た目よりも… 続きを読む
バール・パスティッチェリアのウインドウの一番目につくあたりに手のひらほどもあるメリンガ(メレンゲ)が山のように積まれているのをよく見かける。卵白と砂糖を泡立てて乾燥焼きしたものが、いっぱしのお菓子づらをして鎮座しているのが、どうしても不思議でならない… 続きを読む
結婚式に欠かせない、アーモンドを糖衣で包んだコンフェッティ。古代ローマ時代にはすでに存在し、子供の誕生や結婚の祝祭菓子として用いられていた。ただし、当時はまだ砂糖はなく、蜂蜜と小麦粉でアーモンドを包んだものだった。糖衣で包むという方法は、伝説によれば… 続きを読む
復活祭が近づく2月の終わりから3月にかけて、スーパーや菓子店の一番目立つところにあるのが卵型のチョコレート、その次に目につくのはコロンバ。コロンバ・パスクアーレとも呼ばれる、鳩(コロンバ)をイメージした発酵菓子だ。初めて見たときは、「え、どこが鳩?」… 続きを読む
復活祭の時期になるとスーパーなどでコロンバが山と積まれているのが目につく。でも、ナポリでは復活祭といえばパスティエラである。表面にリボン状のパスタ・フロッラで網目模様があしらわれ全体に黄金色をしたトルタだが、見た目のシンプルさに惑わされてはいけない。… 続きを読む
フィレンツェから路線バスに乗って30分余り。終点のアンテッラで降りる。地図で言えば、フィレンツェの南東10キロほど。高速道路A1がすぐ傍を通っている小さな集落だ。目指すオリーブオイル農園Il Colleは件のバス停から2キロ弱のところにある。電話をする… 続きを読む
うっすらきつね色をした、木の葉の形の薄焼きビスコッティ、オッフェッレ・ディ・パローナ。なんの飾りもない素朴な姿は、修道院に伝わる菓子なのかと思わせる。箱だって、デザインはなんだか古めかしく、鐘楼のようなものが描かれていて宗教っぽい感じがしなくもない。… 続きを読む
初めてこのパンを食べたのは春だったか秋だったか。全く記憶がないが、ほのかな甘さとローズマリーの香りははっきりと覚えている。それまでローズマリーといえば料理に使うもので、甘いものに合わせることを知らなかったからびっくりしたのだ。その後、カスタニャッチョ… 続きを読む
5月のフィレンツェ。ミケランジェロ広場のすぐ傍にあるローズ・ガーデンは多くの観光客で賑わうが、広場を挟んで反対側にもう一つ見頃を迎える庭園がある。1954年に設立されたイリス(アヤメ)・ガーデンだ。4月の終わりから1ヶ月間無料で一般公開しているこの庭… 続きを読む
フィレンツェの隣町、プラートに創業して今年で160周年を迎えた老舗菓子店「Antonio Mattei」のミュージアムショップがフィレンツェ旧市街にオープンした。3月からたっぷり2ヶ月の準備期間を費やしたそこは、こぢんまりとしたスペースで、手前がショッ… 続きを読む