アンティカ・マリーナ@福岡

メモ代わりの探訪記その22 10月19日

この店名にぴんと来る人は相当なシチリア通である。あの猥雑なカターニアのペスケリア市場の片隅にあるアンティカ・マリーナで修業、帰国後本店の店名を譲り受けた本田剛シェフの店である。福岡市内から車で40分ほど走った海沿いの町、筑前前原の海を見下ろす高台に立つ。

この夜は突き出しのカリフラワーのブロード仕立てから始まり、前菜の盛り合わせはカターニアの海を彷彿とさせるヤリイカのフリット、頭はポレンタ粉をまぶし下足は軽い衣にパプリカのアクセント。タコマリネ、イワシと黒オリーブのブルスケッタ、自家製サルシッチャといんげん豆。パスタは海老とポルチーニ茸のタリオリーニ。素晴らしい。セコンドは前原の海で取れた新鮮そのもののパンサイズのカサゴを使ったアックア・アル・マーレ。官能的な頬肉、和食では引き出せない海の宝石が持つド迫力の底力、骨までしゃぶりつくすが、それでも飽きたらずパスタ追加、ブロッコリとサンマのフジッリ。デザートはリコッタと松の実を詰めた洋梨のコンポート・赤ワインとチョコレートのソース。

調和と意気込み、本店とは違うスタイル&アプローチながらも根底に流れる哲学は共通。素晴らしい一夜。MASA

Antica Marina 福岡県糸島郡志摩町大字野北向畑2290 TEL092-3305789
公式サイトはこちら