Sant’Agostino23@Firenze

サントスピリト地区にある一見地味目のトラットリアはフィオレンティーナを愛する男たちの集まる肉の店でありました。とはいえ今のサッカーには興味なくて、ひたすら80年代、90年代のオールド・サッカーのみを愛する男なら、入り口脇に堂々と掲げられたフィオレンティーナの歴史を紡いできた栄光のアタッカーたちの名前が刻まれたボードを目にしたとたん、血沸き肉踊り、歓喜のため息をもらすことでありましょう。アントニオーニ、ラモン・ディアス、バイアーノ、バッジョ、エドムンド、オリヴェイラ、バティストゥータetc…。とはいえここはそうした血圧の高い男たちが集まり、試合中継見ながらビールをがぶ飲みするような店ではなく、いたって健康的、だけども体育会系いらっしゃい、大盛りの店。以前店の前を通りがかり、メニューをのぞいた時から気になっていたOrecchie dell’elefanteすなわち「象の耳」とは直径30cm近くまで薄くのばした豚ロースのコトレッタのことであります。

さらにオリジナル
のハンバーガーはコントロフィレット・ディ・マンツォ100%の高級バーガー。どうも最近マ●ドナルド系へのアンチテーゼとしてきちんとしたハンバーガーを出す店が増えているような感もあります。パンツァーノ・イン・キャンティのカリスマ肉屋ダリオ・チェッキーニの「マック・ダリオ」もそう。見れば男衆はみなこのマンツォ・バーガーをばくばくかじってる。どちらも量は一見多いが、脂をすべてきちんと取り除いているので意外と軽く食べられともに完食。チップスも自家製。11月は内臓ファンが泣いて喜ぶQuinto Quartoメニューがあるのでこれも楽しみかと存じます。MASA