ルチニャーノ昼食会

かんかん照りの某日、撮影を兼ねた昼食に出かけたのはアレッツォ県の小村ルチニャーノ。見事な楕円形が残るこのボルゴのとある家ではそれはそれは見事な午餐の準備の真っ最中だったのである。鴨をまるごと一匹使ったスーゴはピーチを使ったパスタソース&セコンド代わりの強烈アレッツォ風ピアット・ウニコ。いままでどちらかといえば軽視しがちだったアレッツォ名物、鴨のラグーがこんなに美味しかったとは。こんなにうまい鴨料理は志満平@市ヶ谷の鴨の陶板焼き&大根おろしポン酢以来鴨?

さらに新鮮な鶏のレバーを使ったアレッツォ風のクロスティーニ。生食で食べるサルシッチャ・クルーダ!!!!、サラミ、プロシュート・カサリンゴ、フィノッキオーナ、ピンツィモーニオといったシンプルな前菜。ではそろそろ肉にいく。まずは豚の背ロース&ローズマリー、フィノッキオ・セルヴァティコで調味したアリスタ・アル・フォルノで、つけあわせは豚の背脂を吸わせたジャガイモ。

さらにさらに、この家庭の叔母さまが育てる鳩のロースト。みずみずしくて旨味がほとばしる。次いで夏にも関わらず、暖炉に火をおこして焼いた地元キアーナ渓谷特産のビステッカ・ディ・キアニーナ。この時点ですでに脱落者若干名、しかし午餐はまだまだ続く。田舎風トルタ・デッラ・ノンナ、ジェラート、グラッパ、ヴィンサント・デッル・ノンノ、などなど。皆無言で指をねぶり、ため息ついては赤ワインに手を伸ばす。外は灼熱35度超の真夏日。トスカーナの田舎風食卓。MASA