日本にはワインの前にやることが...?

去る9日、日本では「ワイン産業振興議員連盟」なるものが発足したそうですね。それ自体は大変良いことだと思います。思いますが、日本はワインを売り込む前に自前の素晴らしい日本酒というものがあるのではないか、と思うのです。

イタリアではミラノから徐々に南下して和食店の数は順調に増えています。この不況ですから、純粋な日本人による(高価な)日本食の店というわけではなく、機を見るに敏な中国の人々による廉価な店が中心ですが、なんにせよ、和食というのものに触れる機会が増えていることは否めません。しかし、そこでメニューに載っている日本酒は、供される料理のそれこそ足下にも及ばないものばかり。我々が日本で普通に親しんでいる日本酒は、こっちではお目にかかれない、幻の酒なのです。

日本酒をイタリアに輸入するには、がっちり関税がかかります。自国の産物を守るための保護政策による多額の関税は当たり前のことですが、そこは交渉次第、互いの利益保護が確立できれば譲歩の余地はないわけではないのです。日本酒業界が本気で世界に打って出たいと思うなら、越えられない壁ではないのです。

一度日本酒の味を覚えたイタリア人は夢見心地で「あれは美味しかった。イタリアでも普通に飲めるといいのに(若干の出費は覚悟の上。あくまでも若干...)」とつぶやきます。当地の和食店でなんちゃって日本酒を燗酒にして飲んでいる姿を見るにつけ、密かに拳を握りしめてしまいます。それ、違うから...と。民主党の皆さん、大連立になってもいいですから、日本酒もきっちり売り込んでくださいね。mnm