シチリアの小さな女王

イタリア人は名前をつけるのがうまいなぁと思うことしばしば。レストランの名前なんて最たるもの。あんまりひねらず、覚えやすく。しかし、住所そのまま、オーナーの名前そのまま、というのはどうかと思うけれど、響きが良かったりするから、なるほどねぇ、その手もあったかと素直に思う。じゃ、そのアイディアをいただこうか、と思っても悲しいかな、非イタリア人には難易度高めの技なんですね。以前に、「イタリア料理ってなんですか」と某国営放送的茫洋とした質問をしたら、「イタリア人が作る料理だよ」と答えられて言葉を失ったこと、思い出します。それ言われたら終わりやがな...
なんでこんなに自信があるんだろう?としみじみつくづく思うわけですが、そういう自信のある人々は名前にも「どや!見てみぃ」的感覚をみなぎらせますね。シチリアの、おやつビスコッティ、レジネッレ。レジネッテとも言いますが、言うなれば、小さな女王。ラード入りのビスケット生地に生ごままぶしただけですが、それを女王と呼ぶとは大きく出たものです。でも、一応、レジーナ(女王)とは呼ばずにレジネッレにとどめておくところに「あんまりたいそうにしてもな」という自制心を感じます。が、単に「ちっさいから、”小さな”とつけただけ」なのかも。なんにしても、うまいビスコッティです。生ごまは乾いていたらまぶす前にたっぷりの水で湿らせます。すると、生地によくつく上、焼成中の焦げを抑えられます。シチリア全土で見られますが、マルヴァジア・ディ・リーパリとは特に相性良し、と思うので、個人的にはエオリエを思い出すお菓子です。mnm
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