サドレルからTrip Adviserへの意見

ミラノ・ガストロノミー界の巨匠クラウディオ・サドレルは先日Trip Adviser に対し、店側に攻撃的なコメント、あるいは損害を与えるようなコメントの投稿者は、料理人同様顔写真を掲載するよう要望したそうである。

日本の投稿サイトでも同様のケースが時折見られるが、イタリアも同様レストラン・レビューのサイトには、あるいは日本以上に厳しく辛辣なコメントが見られることが多々ある。本田圭介のACミラン移籍以降、イタリアのスポーツ・メディアは辛辣だ、といわれることが多いがレストランに対しても同様。スポーツ紙は署名原稿であるのに対し、こうした無名Anonimoな投稿者からのコメント、レビューは時に悪意に満ちている表現が多く、イタリアでは放送禁止にあたる隠語、禁句的表現Parolacciaも見たい見たくないに関わらずよく見かける。試しにGoogleなどで「レストラン 批評」にあたる「Ristoranti recensioni」で検索してみると記述のTrip Adviserの他にQ Ristoranti2 Spaghi.itIl Mangione、といったところが有名レビュー・サイトだが、いずれもニックネームで顔写真無し、の投稿スタイルである。

ためしにTrip AdviseでSadlerのレビューを見てみると、最新のレビュー順に

“AlchimiadelGusto – Sadler”「味の錬金術士、サドレル」

“non c’è dubbio”「間違いない」

“Sua eccellenza”「彼の素晴らしさ」

“Magnifico e…”「すごい、そして。。。」

“###Sadler Incanta###”「サドレル・マジック」

など概ね好評価なレビューが多いが、中には

“Caro Claudio mi hai deluso…”「親愛なるクラウディオよ、お前には失望した」

という非常に厳しいレビューもあった。

サドレル曰く、賛否両論、好みをいうのは本人の自由だが、その場合はあくまでも自分のブログ、あるいはサイトで行うべきであり、Trip Adviserのようなレビュー・サイトの場合は名前と顔写真を明らかにするだけで、意図的、対立的な表現を防ぐこともできるはずである。中には意図的に攻撃するレビュアーもいないとは限らないのだから。イタリアのレストラン界の場合、自らの不利になることには揃って立ち上がる、という傾向があり一時期は、ホテルのキャンセルにはキャンセル料が派生するのに、レストランのキャンセルは(しかも当日)なぜキャンセル料を請求できないのか?という議論が起きたこともあるが、それについてはまたいずれかの機会に。