Chianti Classico Houseオープン

イタリアで最初のワイン生産者組合は、1924年ラッダ・イン・キャンティで結成された。33の生産者が参加したこの組合は、トスカーナの他の地域で造られるワインと区別するため、32年にキャンティの名前の使用区域を限定。そして、キャンティは67年にDOCに、84年にDOCGに認定され、その一部であったキャンティ・クラシコは1996年に単独でDOCGに認定された。現在、キャンティ・クラシコ協会には600以上の生産者(うち瓶詰も自社で行っているのは350)が登録するイタリア最大規模の組合である。
2014年6月、キャンティ・クラシコの組合が最初に結成された記念すべき地ラッダ・イン・キャンティに、キャンティ・クラシコ・ハウスが開館した。場所は村の南側、11世紀に始まったサンタ・マリア・イン・プラート修道院を10年かけて修復。外観や構造はオリジナルをいかし、中庭回廊はメインのイベント会場に、修道士が暮らした各部屋はワインについて学ぶ教室、あるいは展示会場として使用する。また、エノテカ、ワインバー、シンボルである黒い雄鶏ガッロ・ネーロをモチーフにしたグッズのショップもある。
ワインバーには南斜面に張り出したテラスがあり、眼下にワイナリーColle Beretoの畑が見渡せる。この畑は、修道士たちが開墾したラッダ村では最も古い畑で、古来、良質なぶどうが穫れることで知られていたという。自給自足の暮らしを営んでいた修道士たちを思いながら一杯楽しんでみるのもいいだろう。また、デグスタツィオーネのコース(3時間)や、一日かけてキャンティ・クラシコについて学ぶコースなど、おもに愛好家向けのアカデミーを充実させていく予定とのこと。イタリアのことだから遅々として進まず、が予想されるが、うまく定着することを願うばかりだ。